ガートナージャパン(以下、Gartner) は8月1日、 日本企業のIT人材に関する調査結果を発表した。
Gartnerは2024年4月に、年間売上高500億円以上の日本企業でITやデジタルの戦略策定に携わっている役職者を対象としたITマネジメント調査を実施した。
調査において人材や組織の課題に関して選択式で自社に当てはまるものを複数回答で尋ねたところ、「質的な人材不足」を1位に選んだ回答者は14.5%、3位までに選んだ回答者の合計は31.9%と、どの選択肢よりも多い回答が得られた。
さらに、どのような人材がどの程度不足しているかを尋ねたが、選択肢に挙げた13種類の人材のいずれにおいても、不足している状況が明らかになった (図表1)。
今回の調査では、4割前後の日本企業で選択肢に挙げた13種類の人材のいずれもが大いに不足しており、多少の不足まで含めるといずれも8割を超えている。
採用強化だけでなく
既存人材のエンゲージメント向上のための施策が重要
現在取り組んでいる人材不足への対応策を複数回答可で尋ねたところ、中途採用の積極化が第1位で47.3%、次にインターン制度の活用 (31.8%) で、新卒採用における条件の改善は第4位とはいえ30.8%に上った。また、アルムナイ採用 (退職者の再雇用) にも回答者の23.8%が取り組んでいた。
そのほかの対応策としては、働き方改革の促進 (31.0%) や福利厚生の充実 (23.5%)、柔軟な報酬体系の導入 (19.3%) など、採用だけでなく既存人材のエンゲージメント向上による離職防止に役立つと考えられる回答が並んだ。
一方、人材の定着率やエンゲージメント向上のための施策について選択肢を示し、それぞれの採用状況を尋ねたところ、フレキシブルな勤務時間 (59.1%) やリモートワーク (58.8%) を既に採用している割合は半数を超えていた。
副業を解禁している企業も35.5%あり、日本企業における働き方の自由度は、近年相当高くなっていることが伺える。
さらに、週休3日制を21.1%が採用しており、12カ月以内に採用予定という回答の割合も18.8%ある。今回の調査結果に限れば、1年後には日本企業の約4割が週休3日制を採用していることになります (図表2)。
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