ガートナージャパンは9月1日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を発表した。
ガートナーの「ハイプ・サイクル」は、新たに登場したテクノロジーがどのような軌跡をたどって普及するかを示したもので、「黎明期」「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産性の安定期」の5つのフェーズに分かれる。
今回の日本に特化したハイプ・サイクルでは、インフラストラクチャを中心に「今後すべての企業にとって重要となる」36のテクノロジーおよびトレンドを取り上げ、そのうち、メタバース、自律分散型組織、都市型エア・モビリティ、デジタル・ヒューマン、ソフトウェア定義型自動車の5項目は、新規に追加したものという。
「ハイプ・サイクル」の“ハイプ”とは、「誇大広告」や「過剰な宣伝」という意味をもつ言葉で、Gartnerの造語である「ハイプ・サイクル」は特定の技術の採用度や社会への適用度、市場における期待や評判を示すものである。
そこで、ガートナージャパンが予想する、主流の採用までの年数別に各項目をまとめ直すと、次のようになる。ユーザー企業にとっては、検討の優先度と言い換えることもできる。
主流の採用まで2~5年
・ブロックチェーン
・ブロックチェーンによるトークン化
・人間中心のデザイン
・エッジ・コンピューティング
・IoTエッジ・アナリシス
・エッジAI
主流の採用まで5~10年
・人工知能
・モノのインターネット
・スマート・ロボット
・次世代型リアル店舗
・イマーシブ(没入型)・エクスペリエンス
・スマート・ワークスペース
・NFT
・デジタル・ツイン
・デジタル倫理
・コネクテッド・プロダクト
・Web3
・ファウンデーション・モデル
・People-Centric
・自律分散型組織
・都市型エア・モビリティ
・振る舞いのインターネット
・次世代型スマート・シティ
・ソフトウェア定義型自動車
主流の採用まで10年以上
・メタバース
・量子コンピューティング
・デジタル・メッシュ
・衛星コンステレーション
・新しいビジネス・アーキテクチャ
・デジタル・ヒューマン
・人間中心のAI
・月データセンター
・6G
・汎用人工知能
・量子エッジ・コンピューティング
・双方向ブレイン・マシン・インターフェース
今回新登場の「メタバース」は、8月10日発表のグローバル版「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」では「黎明期」に位置づけられていたが、日本版では「『過度な期待』のピーク期」と、一歩進んだ配置となった。これについてガートナージャパンは、「日本ではグローバルよりも早い段階で過度な期待が寄せられている。VRから派生した『デジタルのリアル化』の中でアバターを超えたデジタル・ヒューマンがリアリティになりつつある」と指摘している。
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