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日本企業におけるデータ活用で「成果を得ている割合は3%程度」 ~「経営層がデータ利活用に対する組織の意思や期待を明確に開示すべき」とガートナージャパン

ガートナージャパンは1月29日、日本企業におけるデータ活用に関する調査結果を発表した。2023年10月の調査で、回答数は400件。

その総括によると、「データ利活用に対する日本企業の関心は依然として高いものの、全社的に成果を得ている割合は3%程度」で、「前回の調査 (2022年7月実施) 時の2.2%から、あまり変化していない」という。

この理由・要因として、「データ利活用に対する企業姿勢や組織体制が整っていない」ことを挙げる。下図は、「データ活用に対する取り組みの状況」を集計したもの(複数回答)。

・該当するものがない:237件(59.3%)
・推進リーダーを任命している:59件(14.8%)
・経営層から重視する方針が示されている:58件(14.5%)
・重視する姿勢を社外に開示している:55件(13.8%)
・推進するための子会社を設立している:28件(7.0%)
・専門組織を設置して推進している:27件(6.8%)
・データ活用が人事評価や配属・昇進に影響している:26件(6.5%)
・専門家を中途採用して増員を図っている:22件(5.5%)
・専門的な教育プログラムを社内で提供している:21件(5.3%)

「データ利活用に対する組織体制が整っていない(該当するものがない)」のが約6割、「推進リーダーを任命」「重視する方針を開示」「重視する姿勢を社外へ開示」が13~14%という結果である。

図1 データ活用に対する取り組みの状況 n=400 出典:Gartner (2024年1月)
図1 データ活用に対する取り組みの状況 n=400 出典:Gartner (2024年1月)

 

データ管理の状況については、下図の結果になった。

・分からない:206件(51.5%)
・業務に必要な指標の入手方法や計算方法が組織で統一されている:16件(4.0%)
・業務に必要なダッシュボードやレポートが整っている:16件(4.0%)
・必要なデータが見つからない場合の相談窓口が明確になっている:27件(6.8%)
・必要なデータが見つからなくても担当部署が迅速に対応してくれる:29件(7.3%)
・データ管理を行う専門組織をIT部門とは別に設置している:34件(8.5%)
・データ品質の問題についての相談窓口が明確になっている:35件(8.6%)
・必要なデータを探してアクセスできる環境が整備されている:37件(9.3%)
・データの取り扱い方や権限などの相談窓口が明確になっている:37件(9.3%)
・データ品質の管理責任者が任命されている:57件(14.3%)
・データの取り扱い方や権限について明確なルールが周知されている:64件(16%)

図2 データ管理の状況 n=400 出典:Gartner (2024年1月)
図2 データ管理の状況 n=400 出典:Gartner (2024年1月)

今回の調査結果についてガートナージャパンの一志達也氏(シニアディレクター アナリスト)は、以下のように指摘している。

「今回の調査では、多くの日本企業がデータの資産価値や管理の重要性を組織として認識しているとは言えない状況が浮き彫りになりました」「データの利活用によってビジネス上の成果を得たい、あるいは組織をデータ・ドリブンにしたいと考えるデータ/アナリティクス (D&A) リーダーは、データに対する組織の関心と理解を得るために、経営層がデータ利活用に対する組織の意思や期待を明確に示し、それに基づいてD&Aチームの描く展望や戦略を組織全体に浸透させ、D&Aが業務やKPIの向上にどう役立つのかを、さまざまなチャネルを通じて周知することが重要です」

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