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日本と世界で「DXとデータアナリティクスの取り組み」に大きな違い ~ガートナージャパンが調査結果を発表 

ガートナー ジャパンは6月28日、企業のDXとデータアナリティクスの取り組みに関する調査結果を発表した。2つの調査結果を対照させたもので、1つはガートナー(世界)が2020年9月~11月に実施した「CDOサーベイ」(回答数:469人)、もう1つはガートナー ジャパン2020年11月に実施した調査(回答数:47人)である。

CDOサーベイによると、世界でDXに取り組んでいる組織は全体の80%超に上り、それら組織のデータアナリティクスのリーダーの76%がDXを主導、または深く関与している。

世界でDXに取り組んでいる組織の割合とD&Aリーダーの関与
世界でDXに取り組んでいる組織の割合とD&Aリーダーの関与 出典:Gartner (2021年6月)

 

一方、日本では、従業員2000人以上の企業の約80%がDXやデータ利活用に取り組んでいるものの、DXとデータ利活用を区別しているのは14%にとどまり、大半は区別していない。

また、世界ではデータアナリティクスに責任をもつ最高データ責任者 (CDO) などの設置が増加しているのに対して、日本ではそれに相当する責任者はまれにしか見受けられず、データ利活用の専門組織を設置しているのは15%にとどまる、と指摘している。

日本の大企業におけるDXとデータ利活用の取り組み状況 出典:Gartner (2021年6月)
日本の大企業におけるDXとデータ利活用の取り組み状況 出典:Gartner (2021年6月)

 

ガートナー ジャパンの一志達也氏(アナリスト、ディレクター)は、「日本は大企業を中心に専門組織の設置など、DXへの取り組みが積極的に行われており、データ利活用をその一環と捉えて最高デジタル責任者の下で取り組んでいるケースが多く見受けられます」と述べたうえで、「DXの推進にはD&Aが不可欠ですが、その2つを混同すべきではなく、D&AがDXの一部であると捉えるのは誤解です。世界と日本の状況を比較すると、責任者の明確化と組織的な関与に違いが見られます。DXやD&Aの取り組みを推進する際は、IT部門やビジネス部門の区別なく取り組むことが重要です。技術やインフラだけでは成果を得られないため、DXやデータ利活用の取り組みには、ビジネス部門を中心とした関係者の理解と協力が不可欠です」と指摘している。

[i Magazine・IS magazine]

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