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働く環境・働き方を向上させる「デジタル・ワークプレース戦略」の重要性が増す、とガートナージャパン ~「見解」と「ハイプ・サイクル:2024年」を発表

ガートナージャパンは、「デジタル・ワークプレースの成熟度が高い企業ほど、ビジネス成果を達成している」との見解と「日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2024年」を8月20日・21日の両日に発表した。

Gartnerが定義するデジタル・ワークプレースとは、「いつでもどこでも柔軟に働くことができ、テクノロジーや適切なアプローチによって仕事の質や生産性、俊敏性を高められるデジタルな仕事空間」を指す。単なる仕事環境のデジタル化ではなく、人や組織のあり方も含めた企業の成長戦略の一環として実現されるもの、という。

Gartnerはデジタル・ワークプレースの成熟度レベルを、以下の5段階で定義している。また多くの企業が「成熟度レベル1~2の段階」にあり、「成熟度が高い組織ほど、新しいテクノロジーをビジネスの成功に活用できる」としている。

レベル1.受動型 (処理的)
テクノロジー導入やビジネス・プロセスの処理が重視され、バックログの回避に注力している。

レベル2.適応型 (サービス化)
一貫性があり定量化も可能となり、基本的なプロセス改善が実施されている。

レベル3.支援型 (オペレーショナル・エクセレンス)
従業員支援によって、新しい働き方と双方向の従業員エンゲージメントを促進している。

レベル4.加速型 (エクスペリエンス/価値/パートナーシップ)
ビジネス部門間のパートナーシップと経営陣がデジタル活用力を強化し、デジタル・ワークプレースの拡大に資金と支援を提供している。

レベル5.変革型 (デジタル・ビジネスの価値とリーダーシップの推進)
変革とイノベーションを推進する。影響は、組織的連携と個人/チームの成長にまで拡大する。

デジタル・ワークプレースの成熟度レベル    出典:Gartner (2024年8月)
デジタル・ワークプレースの成熟度レベル 出典:Gartner (2024年8月)

ガートナージャパンは、デジタル・ワークプレースの目標として以下の3つを挙げている。

デジタル・ワークプレース・インフラストラクチャの近代化
例としては、アクセス/モビリティ/使いやすさの向上や新しいワーク環境への移行。

新しい働き方
従業員がテクノロジーを利用し、より多くの仕事を行い、ビジネスで効果を出せるように支援し強化する。新しい働き方をサポートする。例として、フュージョン・チーム、ビジネスへのアジャイル手法の適用、デジタルの試行など。

ビジネス変革の促進
例として、新規市場への参入、新しいデジタル・プロダクトなど。

ガートナージャパンでは、「企業には、従業員の働き方や働く環境をよくすることで、人が集まる魅力的な組織となることが不可欠です。従業員の生産性やエンゲージメントを高めるには、デジタル従業員エクスペリエンス (DEX) の向上が必要であり、企業におけるデジタル・ワークプレース変革への取り組みの重要性が増していることを意味します」と述べている。

日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2024年 出典:Gartner (2024年8月)
日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2024年 出典:Gartner (2024年8月)

8月21日に発表された「日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2024年」では、システムがユーザーの感情状態を分析して特定のアクションを取るテクノロジーである「エモーションAI」が追加され、「『過度な期待』のピーク」に位置づけられた。

また「AIリテラシー」が「黎明期」に初登場し、RPAは「生産性の安定期」に配置されている。

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