米Gartnerは4月19日(現地時間)、2022年の世界パブリッククラウド市場におけるエンドユーザー支出額予測を発表した。
それによると、パブリッククラウドに対する世界のエンドユーザーの2022年支出額は、対前年比20.4%増の4947億ドル(約59兆3640億円)、2023年は約6000億ドル(約21%増)になると予測している。
分野別の支出額は、「SaaS」が最も大きく1766億2200万ドル、次いで「IaaS」の1197億1700万ドル、3位「PaaS」1096億2300万ドルという順で、以下「BPaaS(Business Process as a Service)」555億9800万ドル、「DaaS(Desktop as a Service)」26億2300万ドルという予測を立てている。PaaSは1000億ドルの大台に乗る。
また支出額の伸び率は、「IaaS」が30.6%と最も高く、2位「DaaS」26.6%、3位「PaaS」26.1%という予測である。
Gartnerでは今後の動向について、次のように分析している。
・最大規模を占めるSaaSは、ユーザーがSaaSを利用して大規模でモノリシックなアプリケーションを効率的なDevOpsプロセスへと分割し続けるので、今後も安定して成長する。
・クラウドネイティブ機能を提供するコンテナ化、DBaaS(Databass as a Service)、AI/機械学習などのクラウドサービスは、コモディティ化したIaaSやNetwark as a Serviceなどよりも豊富な機能をもち高価なので、支出額を伸ばす。
・リモートワークやハイブリッドワークの浸透によりDaaSへの移行が進んでいる。
・ハイパースケール・エッジコンピューティングやSASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)などの新技術は、隣接市場を破壊し、新しい製品カテゴリーを生み出している。これによりパブリッククラウド・プロバイダーはさらなる収入源を手中にしている。
・パブリッククラウドサービスがビジネスに不可欠なものになるに伴い、プロバイダーはサステナビリティ(持続可能性)やデータ主権(Data Sovereignty)といった社会的・政治的課題への対応を余儀なくされている。
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