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世界のIaaS市場、2021年はアマゾンとマイクロソフトの2社でシェア60%、トップ5社で80%以上 ~Gartnerが「2021年の世界IaaS市場調査」を発表

2021-2022年の世界IaaS市場動向 単位:100万ドル source:Gartner(June 2022)
2021-2022年世界IaaS市場動向 単位:100万ドル 出典:Gartner(June 2022)

Gartnerは6月2日(米国時間)、2021年の世界IaaS市場調査の結果を発表した。それによると、市場規模は前年比41.4%増の909億ドル(約11兆8000億円)。トップ5は、アマゾン、マイクロソフト、アリババ、グーグル、ファーウェイの順となり、アマゾン、マイクロソフトの2社で市場全体の60.0%、トップ5で81.2%を占める結果となった。

Gartnerのアナリスト、シド・ナグ氏(Sid Nag、バイスプレジデント)は、「クラウドネイティブがワークロードの主要なアーキテクチャになるに伴い、IaaS市場は衰えることなく成長を続けている」とコメントしている。

トップ5の企業別パフォーマンスは以下のとおり。

・アマゾンは、市場シェアを1.9ポイント落としたものの38.9%、売上高354億ドルとなり、第1位。成長率は35.0%増。引き続き世界のIaaS市場をリードしている。

・マイクロソフトは、前年比51.3%増の191億ドルとなり第2位。市場シェアは1.4ポイント増加させて21.1%となった。「多くの企業がマイクロソフトのエンタープライズソフトウェアやサービスに依存しているため、Azureはほぼすべての業種別市場(vertical market)でビジネスチャンスを獲得できる位置にある」と、Gartnerはコメントしている。

・第3位のアリババは、前年比41.9%増の87億ドル。市場シェアは前年と変わらず9.5%。「アリババは引き続き中国のクラウド市場をリードしているが、地域市場への理解とデジタルコマースの橋渡しとしての機能を備えていることから、インドネシアやマレーシア、およびそのほかの新興クラウド市場でも地域別プロバイダーのトップとなる態勢を整えている」(Gartner)。さらにナグ氏は「地政学的な分断が進み、規制やコンプライアンス要件が新たに発生する中で、地域別のクラウドエコシステムの重要性が高まっている。地域で強い存在感を示すプロバイダーにとってチャンスとなる」と述べている。

・Google Cloudは、上位5社中で最も高い成長率(63.7%)を達成し、売上高64億ドル、市場シェア7.1%で第4位となった。「この成長は、従来からのエンタープライズワークロードへの適用が着実に進んだことに加えて、AIやKubernetes技術などの最先端分野におけるグーグルのイノベーションや、より幅広い顧客層にリーチするためのパートナーエコシステムの拡大に支えられたもの」と、Gartnerは指摘する。

・ファーウェイは、2020年・2021年の2年連続で前年比200%を超える成長を遂げたが、2022年は前年比34.3増、売上高41億ドルとなり、第5位となった。市場シェアは4.6%。
「ファーウェイは過去2年間、IaaSエコシステムに大規模な投資を行い、オープンハードウェア、オープンソースソフトウェア、パートナーイネーブルメントの強化した。この戦略を通じて、大学、開発者、スタートアップ企業向けに拡張したサービスを提供できるようになった」とコメントしている。

ナグ氏は、「IaaSの次の成長段階は、顧客体験、デジタル成果、バーチャルファーストによって牽引される」としたうえで、その理由として「メタバース、チャットボット、デジタルツインなどの新たなテクノロジーは、より多くの計算資源とストレージのパワーを必要とする。この需要の高まりに対応するため、ハイパースケールインフラが必要になる」と述べている。

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