富士通は3月21日、オフィスコンピュータ(以下、オフコン)で構築されたレガシーシステム資産を、最適なDX基盤へとモダナイズするためのオファリングを体系化。すでにオフコン向けに提供しているサービスに加えて、新たにモダナイゼーションマイスターによる専門家アドバイザリーサービス、資産分析・可視化サービスをオフコン向けサービスとして、2025年4月から国内提供を順次開始すると発表した。
同時に、オフコンのシステム環境を同社のデータセンターで運用する「Cloud Service for オフコン」については、同サービスを提供する連結子会社エフサステクノロジーズが、同サービスの販売を2026年3月末に、サービス提供を2031年3月末に終了すると明らかにした。
同社は1984年にオフコン「FACOM Kシリーズ」の国内提供を開始し、40年以上に渡り、販売管理や生産管理、在庫管理や財務管理などのオフコンシステムの構築や運用保守を支援してきた。
しかし、オフコン上で稼働するアプリケーションやデータの老朽化、度重なる改修に伴うシステムの複雑化やブラックボックス化が進み、制度改正や法令準拠、ビジネスプロセスの変更に伴うシステム改修負荷が大きな課題となっており、デジタル化およびAIやデータの利活用、ビジネスモデル変革などを阻害する要因にもなっている。
上記の課題解決に向けて同社は新たに、レガシー技術に精通した専門エンジニア「モダナイゼーションマイスター」がオフコンシステムを最適な手法・技術でオープンシステムへ刷新するための構想策定と検討を支援するアドバイザリーサービスや、生成AIを活用してオフコンシステムの最適なモダナイゼーションの計画策定を可能にする資産分析・可視化サービスなど、オフコン向けのサービスを拡充する。
これにより同社は、オフコンシステムの資産分析から、標準機能に業務を合わせるアプローチ(Fit to Standard)による汎用的な業務パッケージ製品への移行、既存のCOBOLアプリケーション資産の変換、最新のSaaSサービスを組み合わせた再構築などを支援していくとしている。
2031年3月末までに終了するCloud Service for オフコンのメニューは、「オフコンインフラ基本サービス」「オフコンインフラ拡張サービス」「オフコンインフラVPNアダプターレンタルサービス」の3つ。ソフトウェアについては、「ASP」は販売を2026年3月末、保守サービスを2031年3月末に終了する。クライアント上で動作するオフコン関連のソフトウェアは保守サービスを2031年3月末で終了。販売の停止時期は2025年8月ごろに案内する予定である。

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