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三和コムテックの「FileScope」 ~DFUのサポート終了に伴い、代替ソリューションとして注目されるファイルエディター

DFU以上の便利機能を備えるファイルエディター

IBM iユーザーが長年、愛用してきたファイルエディターであるDFU(Data File Utility)のサポートが、2025年4月末で終了する。このことがIBMからリリースされて以降、三和コムテックには、同種のファイルエディターである「FileScope」に関する問い合わせが急増している。

IBM i 7.5を使い続ける限り、DFUを継続的に使用することは可能だが、やはりメーカーのサポートが終了した状態で使用を継続することに対するユーザーの不安は大きいようで、状況を憂慮したビジネスパートナーから同社へ、問い合わせが相次いでいるという。

FileScopeは初回のリリースから20年以上経っており、歴史は古い。同製品はDFUと同等、正確にはそれ以上の機能を備えるIBM i専用のファイルエディターで、「iSecurity」などIBM i向けのセキュリティ製品を提供するイスラエルのRaz-Lee Security社が開発した。

FileScopeはDFUのようなファイル更新機能に加え、QUERYのようなデータ検索機能を兼ね備えたファイルエディターである。

DFUと同じく、ファイルの照会・変更・検索・検証・印刷に必要な機能をすべてサポートしている。その一方、QUERYのような検索機能を活用して、大量データの中から目的の情報を素早く見つけ、閲覧・更新できる。

たとえば大量にデータがある場合、目的のデータを1つ1つ探すと、見つけるのに多くの時間を要する。そこでQUERYのような検索条件の設定画面を表示し、条件を実行すると、指定した条件に合致したデータのみが表示される。

さらに定義を保存して再利用する「ビュー・ポイント」や、変更したデータを変更前に戻すことのできる「UNDO機能」、複数レコードを一括で変更する「一括変更」、既存フィールドの値を利用して新規フィールドを簡単に作成する機能など、DFUにはサポートされていない機能が数多くあり、ソフトウェア開発・保守の生産性向上に寄与する。

画面の印象もDFUとよく似ており、ファンクションキーの機能が表示されるので、短時間で違和感なく習得できるであろう。

IBM iユーザーの多くは、今もDFUを使用していると思われる。DFUの利用を中止するとなると、今までと同じ作業を実行しようとすれば、SQL、ACS(IBM i Access Client Solutions)、あるいはToolbox for IBM iなどを導入する必要がある。どれも効率性の高さを謳うが、DFUに比べれば若干ハードルが高いと言わざるを得ない。その点、FileScopeであれば、見た目も機能も、DFUライクな環境を再現できるわけだ。

FileScopeは現在、サブスクリプション価格で提供されている。DFUのサポートが終了する今年5月以降、ファイルエディターをどうするか、検討する余地がありそうだ。

図表1 FileScopeでの物理ファイル参照画面(複数レコード)

 

[i Magazine 2025 Spring号掲載]

 

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