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RPG FACTORY、FBI Learning、IBM i Salonと支援・学習・交流をトライアングルで提供:福岡情報ビジネスセンター ~IBM iシステムの「進路」❶

RPG支援で時間を創出し
次への知識・スキルを身につける

福岡情報ビジネスセンター(FBI)の武藤元美 代表取締役社長は最近、システム要員の派遣を要請してくるIBM iユーザーに、次のような“逆提案”をしているという。

『私どもから技術者を派遣することもできますが、むしろ御社の若手を当社に派遣し、御社の仕事を当社でさせるようにしてください。当社の技術スタッフと一緒になって仕事をしてもらい、スキルや考え方を身につけてからお返しします』

この“逆提案”について武藤氏は、「IBM iのお客様が抱えている問題を解決しようと思ったら、ベンダー要員の常駐は短期的な解決にはなるものの、本質的な解決にはなりません。そこで、お客様の日々の問題を解決しつつ人材の育成を同時に行える方法として考えたのが“逆提案”です。つまり日々の運用や改修で問題があれば、それへの対応を行うとともに、それと並行して自社にとって今後必要な人材の育成や、システムに関する新しい知見が継続的に入ってくる仕組みを作る必要があるのです」と説明する。

同社が現在推進しているのは、「RPG FACTORY」「FBI Learning」「IBM i Salon(AS/400倶楽部)」という3つの取り組みと、その連携による三位一体の問題解決である。

福岡情報ビジネスセンターの新しい取り組み

RPG FACTORYは、「RPGに関してお困り事があれば、何でもご相談ください」と呼びかけているRPG支援サービス。「お客様の日々の開発・保守・運用からの解放とDX実現のための時間創出が目的です」と、武藤氏は語る。

「当社に相談に来られるお客様は、日々の運用や改修だけで手いっぱいの方たちばかりで、そのうえに要員確保やブラックボックス化の問題も抱えています。そして新しい取り組みに着手できない悩みももっておられます。この苦しい連鎖を断ち切るには、一方の負荷を解消し、他方に注力していくしかありません。RPG FACTORYはその一方の負荷を解消する延命策でしかありませんが、延命させている間にお客様の時間を創出し、次へ向かうためのご支援も提供します。そのために当社の30名を超えるIBM i専任のエンジニアが、RPGに関するどのような悩みにもお応えする体制を整えています」(武藤氏)

当面、ブラックボックス化したIBM i資産の棚卸しや見える化の支援、リモートからの開発・保守・運用支援を想定しているという。場合によっては、同社のPowerクラウドサービスの提案(移行による運用からの解放)や、IBMのPower Virtual Serverへの移行支援も行う。

API・オープンソースなど
RPGの新しい使い方を研修コース化

FBI Learningは、一般を対象にした研修サービスだが、RPG FACTORYのユーザーには、その企業にとって必要な研修プログラムを提案する。

「重点を置いているのは、RPGであってもAPIやオープンソースを活用する新しい使い方です。もちろん現行システムのために必要なスキルがあれば学んでいただきますが、それよりもJavaやPHPなどにチャレンジしてほしく思っています。レガシーな技術を学んでも、レガシーなエンジニアしか育たないからです。FBI Learningでは、これからのシステムで必要になる創造的な考え方や実践的な技術にこだわって、新しい学びの機会をご提供していく予定です」(武藤氏)

3つ目のIBM i Salon(AS/400倶楽部)はユーザーが交流するための場で、同社が運営を担当する。「AS/400倶楽部」とあるのは、かつての九州研(九州IBMユーザー研究会)で活動していた「AS/400倶楽部の精神を継承する」という意味が込められているという。

九州研の会長を務めていたこともある武藤氏は、「AS/400倶楽部のような、IBM iのユーザーが自由に交流し研鑽し合える場を今一度復活させたいと考えていました。ユーザー同士の交流で得られる気づきや知見は、仕事や研修の場では得られない貴重な経験だと思っています」と、IBM i Salonへの思いを話す。

「IBM iは言うまでもなく、盤石な基盤をもち、最新技術を取り入れ続けている最先端のプラットフォームです。最近はPower Virtual Serverも登場して、さらにいろいろな使い方ができる環境が整っています。しかし、最先端のプラットフォームを利用して大きな価値を得るには、新しい考え方と新しいスキルが不可欠です。RPG FACTORY、FBI Learning、IBM i Salonの3つをうまく回して、お客様のDXを実現し、次の世界へスムーズにお連れしたく思っています」(武藤氏)

 

[i Magazine 2021 Spring(2021年4月)掲載]