MENU

Code for IBM iユーザーとしての感想・評価|特集 Code for IBM i ~特別寄稿❶

Code for IBM iユーザーとしての感想・評価|特集 Code for IBM i ~特別寄稿❶

text=玉田 優 中部システム

 

Code for IBM iは視認性が高いこと、ソースコードをローカル環境にダウンロードすることでVisual Studio Code(以下、VSCode)の他の拡張機能を使用できるため、プログラム分析をする際に重宝している。実際の5250画面と比較しながら、Code for IBM iおよびVisual Studio Codeを業務に取り入れてよかった点を詳細に述べる。

1.視認性の高さ

まずは、一画面に表示できるソースコードの量が多いこと。5250画面では図表1のように一画面に表示できるソースコードの量に限界がある。一方、Code for IBM iでは図表2のようにディスプレイで表示できる限りのソースコードを一度に確認することができる。これだけでも十分作業効率を上げることができる。

図表1
図表1
図表2
図表2

さらに、ソースコードの役割ごとに色が大別されているため、うっかり見落としてしていた・・・ということも防止することができる。

Code for IBM iの色による大別の1つとして、コメントアウトされているソースコードは緑色に表示される。

ソースコード管理のよくある例として、変更前のソースコードを履歴としてコメントアウトで残している場合がある。

上記のようなソースコードを5250画面で分析する場合、図表3のように、アスタリスクを1つ見落としただけで、本来とは別の解釈となる。

図表3
図表3

一方Code for IBM iでは、図表4のように色の識別がされているため、見落としを防止できる。

図表4
図表4

また、Code for IBM iにもソースコードの比較機能がある。ただし5250画面とは異なる表現方法のため、場合によってはCode for IBM iのほうが分かりやすい場面もあるだろう。

5250画面の場合、変更前後のソースコードを1行ごと、縦に並べて比較をする(図表5、図表6)。

図表5
図表5
図表6
図表6

一方Code for IBM iは、変更前後のソースコードを左右に並べて比較できる(図表7~9)。

図表7
図表7
図表8
図表8
図表9
図表9

さらに、5250画面では変更されたソースコードだけを抜粋して表示するが、Code for IBM iはメンバー内のすべてのソースコードを同時に確認することができる。

2.ソースコードのダウンロードおよびVSCodeの拡張機能

Code for IBM iの機能により、ワンクリックでソースコードをローカル環境にダウンロードできる。出張や在宅業務などIBM iに接続できない状況でも、あらかじめローカル環境にソースコードをダウンロードしておくことで、どこにいても業務を進めることができる。

さらに、ダウンロードしたソースコードをVSCodeで開くことで、VSCodeの他の拡張機能も使用できる。RPGLEをプログラム分析するうえで、個人的に相性がよいと思った拡張機能を1つ紹介する。

『Bookmarks』(図表10)

この拡張機能は名前の通り、ソースコードにブックマークを付けることができる。ブックマークは一覧で管理され、ワンクリックでブックマークを付けた箇所に移動することができる(図表11)。

図表10
図表10
図表11
図表11

複数回呼ばれるサブルーチンにあらかじめブックマークを付けておくことで、ソースコードを何度も検索する手間を省くことができる。もちろん「Bookmarks」以外にも便利な拡張機能は多数存在する。

プログラム分析にCode for IBM i、VSCodeを取り入れることで、現在5250画面で不便だと感じていることが解消される可能性があると考える。プログラム分析のためにCode for IBM iを業務に取り入れることは、プログラム編集とは異なり、敷居も低いように感じる。特にソースコードをローカル環境にダウンロードして使用すれば、ほぼノーリスクと言ってもよいと思われる。まだCode for IBM i、VSCodeを使用したことがない方は、一度使ってみてはいかがだろうか。

著者
玉田 優

株式会社中部システム
開発部
https://www.cscweb.jp/

卒業後、通信販売業や製造販売業などでさまざまな業務に従事。仕事の傍ら、趣味でプログラミングを学習していた。2021年に株式会社中部システムに入社。RPGの知識は皆無だったが、中部システムのRPG IV教育プログラムの受講により、半年後には実務を担当できるまでになった。現在は、主としてIBM iによる基幹システムのWebシステム化を担当する。

CONTENTS

Code for IBM i:その全貌

Part1 Code for IBM iについて
Part2 基本的な使い方
Part3 ソースコードの保守
Part4 SEU/PDMの代わりになるのか?
Part5 Code for IBM i以外の便利な拡張機能Ⅰ
Part6 Code for IBM i以外の便利な拡張機能 II
    ・IBM i Notebooks
Part7 DeepL APIを使った翻訳プログラムの作成と実行
Part8  特別寄稿 1 Code for IBM iユーザーとしての感想・評価
Part9  特別寄稿 2 ushiday的Code for IBM iの活用ケース

[i Magazine・IS magazine]    https://www.imagazine.co.jp/

新着