ミガロの開発ツールSP4iは、RPG・COBOLのスキルだけで自由度の高いWebアプリケーションを開発できるツールである。JavaやPHPなどのWeb用開発スキルが不要なことに加えて、4ステップで開発できるシンプルさと容易性がユーザーから高く評価されてきた。
そのSP4iが、新バージョンで「Cobos4i」と呼ぶフィーチャーを追加した。
拡張のポイントは3つあり、1つはオープンソースのApache Tomcatに対応したこと、もう1つはEclipseベースの統合開発環境上で開発できるようしたこと、そして3つ目はGitへの対応である。一見地味な拡張のように見えるが、リリースから5年を数えるSP4iの歩みのなかで、最も飛躍的な進化を遂げた拡張である。
オープンソースのApache Tomcatへの対応によって、従来必須であった有償版のWAS(WebSphere Applica tion Server)が不要となり、コストダウンを実現した。
もう1つのEclipse対応は、もともと高い開発生産性を備えるSP4iが、さらに生産性を向上させた拡張である。
従来のSP4iは、(1)市販のHTMLツールなどでWeb画面をデザイン→(2)SP4i Designerを起動して画面上のフィールドを定義→(3)SEU画面に切り替えてRPGまたはCOBOLでビジネスロジックをコーディング→(4)生成したソースのコンパイル、という手順を必要としていた。
これだけでも大きな効率化だが、Cobos4iの追加により、上記の(1)〜(4)の作業がすべてEclipse上で可能になった。これにより、従来の各ステップにおけるツールの起動・切り替えが不要になり、Eclipse上で一貫して統合的に開発が行えるようになった。
Cobos4iプラグインを導入したEclipseを起動すると、統合開発画面の左列に「Cobos4iエクスプローラー ウィンドウ」、右列に「Cobos4iコマンド ウィンドウ」が表示される(図表1)。「エクスプローラー ウィンドウ」には開発に必要なRPGやHTMLなどがリストされてあり、ここからファイルを選択し、(1)〜(3)の作業を行う。たとえばHTMLファイルを選択した場合は、「Webページエディタ」画面で、部品を選択し配置するだけでWeb画面をデザインでき、RPGソースを選択した場合は、「ソースエディタ」画面で直接RPGソースの編集が行える。(図表2、図表3)。(4)のコンパイル作業は「コマンド ウィンドウ」のコンパイルメニューから選択して行える。
3つ目の拡張のポイントであるGitへの対応によって、Cobos4iの画面上でSP4iで使用するHTMLファイルやRPGソースのバージョン管理が可能になった。
これにより個人またはチームで開発中のソースの履歴を集中的に管理でき、デバッグや開発メンバーの管理を効率化できる。
今回のSP4iの新バージョンは、オープン対応を前進させた拡張と見ることもできる。
[i Magazine・IS magazine]