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株式会社スタッフサービス・ホールディングス

POINT

・14の厳しい要件を満たす開発ツールを徹底リサーチ
・「SOFLA  i」でタイムカードシステムを開発
・Windows上の営業系システムをリプレース予定

タイムカードシステムで
派遣業務を大幅に効率化

全国117 拠点をベースに約180 万人の登録スタッフ数を擁し、最適な人材をスピーディに派遣する(株)スタッフサービス。

持株会社であるスタッフサービス・ホールディングスが、事務職派遣のスタッフサービスと、製造業務派遣・業務請負の(株)テクノ・サービスの2つの事業会社を運営。このほか、バックオフィス業務を担う(株)スタッフサービス・オフィスマネジメント、(株)スタッフサービス・ビジネスサポート、(株)スタッフサービス・フロンティアなどでグループを構成する。

グループ内のシステム構築・運用を担うのは、スタッフサービス・ホールディングスの情報システム部。20 年近く前にAS/400 を導入し、現在は2011 年7 月にリプレースしたPower750 上で顧客管理や企業マスター、登録スタッフ管理、派遣先と登録スタッフをマッチングする人選システムなど、人材派遣業務に不可欠な基幹システムを運用している。

同社は以前から、昔ながらの5250画面を脱却し、より操作性の高いGUI画面への移行を検討していた。その最初の開発例となったのが、2011 年9 月に本稼働した「タイムカードシステム」である。これは製造派遣を業務とするテクノ・サービスが運用するシステムで、派遣スタッフの作業時間を管理するもの。

派遣の際のタイムカードは、状況に応じて、スタッフサービス仕様と派遣先仕様のどちらかが使用される。同社仕様のタイムカードを集計するのと違って、派遣先企業が使用するタイムカードはフォーマットが多種多様であり、同社の営業担当者はさまざまな様式で記入されたタイムカードを回収し、スタッフサービス仕様のタイムカードレイアウトに合わせたExcelシートに、苦労しながら入力する。

そしてExcelシートを印刷し、データ入力代行業者へFaxし、業者側がOCRで読み取ったデータをIBM  iの基幹DBへ送信する。この一連の煩雑な業務を効率化するため、IBM  iでGUI/Webアプリケーションを構築しようというわけである。

深田 順一 氏 情報システム部 情報システム二課 マネージャー
深田 順一 氏
情報システム部 情報システム二課
マネージャー

 

14の厳しい要件を満たす
開発ツールを探す

タイムカードシステムの開発が始まる1年以上前、2010年4月頃から、情報システム部では将来を見据え、IBM  i上でWebアプリケーションを開発できるツールの選定を開始していた。 IBM  i上で使用可能な多数の開発ツールに対して、同社が検討したのは以下の14の要件である。

(1)PCサーバーを別途必要としない、(2)WebSphere Application Serverを必要としない、(3)RPGで開発できる、(4)サブファイルを表示・更新できる、(5)レコードレベルの更新が可能、(6)大規模DBでもパフォーマンスに優れる、(7)EBCDICからASCII への変換ポイントが少ない、(8)Java ScriptなどRPG以外の言語はウィザードなどで使用できる、(9)RPGとHTMLの開発を分離できる、(10)AjaxやXMLの利用をツール側で制限しない、(11)新規開発が容易、(12)IBM i  7.1 環境での動作を保証、(13)定期的なバージョンアップやPTF適用に対応、(14)サポートに優れる。

情報システム部では当初、社内開発を前提にツール選定を進め、十数種類 のWeb開発ツールの比較選定を行っ たが、上記の要件に完全に合致する製品導入は難しいと判断せざるを得なかった。

そこで再度、今度はGUI開発ツー ルも対象に加え、再度の検討作業を進めた結果、統合開発ソリューション「SOFLA  i」(アイ・シィ・アール)が同社の求める理想に最も近いとの結論を得た。そこで2011年6月に導入を決定し、開発者2名、約3カ月の期間でタイムカードシステムを完成させたのである。

同システムの稼働によって、煩雑な タイムカード情報や契約情報の入力と印刷、Fax送信、それに伴う入力ミスの訂正作業や再Fax、そして入力代行 業者への外注を全て解消した。外注費 や通信費、プリンタの維持費や用紙 代、さらに作業や管理業務に伴う工数を人件費に換算すると、約50%のコ スト削減を達成したという。

「GUI画面のデザイン性や操作性には徹底的にこだわりました。以前はコード表を片手にキーを操作していましたが、今はコード表がなくても一覧からクリックできるなど、入力効率が飛躍的に高まりました。いつもは操作の変更を歓迎しないエンドユーザーからタイムカードシステムへの称賛の声が多数、情報システム部に寄せられまし た」と語るのは、情報システム部情報 システム二課の深田順一マネージャー である。

同社ではその後も、SOFLA  iで産休管理システム、入金管理システムを構築した。 「一連の開発で、GUI画面を開発しているにもかかわらず、5250画面作成時より開発生産性が高いことや、当初懸念していたパフォーマンスに何ら問題がないこと、Accessなどで開発した Windowsアプリケーションと比べても、操作性に遜色がない点などを確認し、今後のシステム開発にSOFLA  i を全面採用することに決定しました」 (深田氏)

2012年4月から新たに医療関連事業の受注管理システムの開発がSOFLA  i でスタートしたほか、今後はWindows サーバー上で運用している約定システムや営業系システムを、SOFLA  iで リプレースすることも計画している。

COMPANY PROFILE

設 立:1990年
本 社:東京都千代田区
資本金:5億円
売上高:1807億円(2011年3月期、連結)
従業員数:2293名(2011年4月、連結)
http://www.staff service.co.jp/