ARCAD APIはIBM iアプリケーションからRESTful Webサービスを生成し、外部システムとの連携を実現する製品である。の新バージョン「v13.2」では次の新機能が追加された。
・IBM iサーバー上での稼働
・SQL Webサービス
・RESTful Webサービス
◎IBM iサーバー上での稼働
ARCAD APIはこれまでWindows対応版が提供されてきたが、これにIBM i対応版が加わった。ユーザーは今後、稼働環境としてIBM i、Win dowsを選択でき、IBM i上で稼働させる場合は専用サーバーは不要になる。
従来は専用サーバーからIBM iに5250アクセスし、取得したデータを基に専用サーバー上でWebサービスを生成していたが、IBM i対応版によりIBM i上でIBM iリソースをWebサービス化できるので、運用工数の削減が可能である。サーバーの管理など運用工数を増やしたくないというIBM iユーザーには朗報だろう。
◎SQL Webサービス
これまでのARCAD APIでWebサービスを作成するには、(1)ARCAD APIの画面上で5250画面との接続設定を行い、(2)次にWebサービス化したい部分のシナリオを作成し、(3)さらにシナリオで表示されたフィールドをARCAD APIのWebサービス作成画面上にドラッグ&ドロップしてAPIで取得したいフィールドを定義する、という3つのステップを必要としていた。
ここで言うシナリオとは、APIで取得したいフィールドを定義するためのサインオンからサインオフまでの一連の操作である。このシナリオによって、Webブラウザから5250画面経由でシナリオを実行し、取得した値をJSON形式で返すというWebサービスを作成できた。
今回追加された「SQL Webサービス」は、このシナリオの作成を不要とするもので、ARCAD APIの画面上でDb2 for iからデータを抽出し、その結果をJSON形式で返すSQLクエリを定義するだけで、Webサービスを作成できる。APIで取得したいデータをSQLのクエリ形式にするだけでWebサービスの作成が可能になるというわけである。
◎RESTful Webサービス
もう1つの「RESTful Webサービス」は、前述の5250画面で作成したシナリオによるWebサービス(5250 Webサービス)をRESTful Webサービスに変換し、RESTful API URLでリソースを公開可能にする機能である。これによって、GET・POST・PUT・DE LETEといった標準的なHTTPメソッド操作 (CRUD)でリソースへのアクセスと利用が可能になる。
ARCAD APIは、IBM iアプリケーションの改修やコーディングなしにリソースの活用範囲を大きく広げる可能性をもつ。今回の新機能は、使いやすさをさらに向上させた。
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