日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2月18日、「企業IT動向調査2025」(2024年度調査)の速報第2弾として、生成AIの利用状況の速報値を発表した。
今回の調査では、生成AIを、言語系、画像および動画系、コード系、その他、AI(生成AI以外)の5つに分けた。
調査結果によると、「この1年で企業の生成AIの活用は急速に進んだ」という。言語系は前回(2023年度調査)、「導入済」と「試験導入中・導入準備中」の合計が26.9%だったのが、今回41.2%となり、14.3ポイント伸長した。
今回新設の「画像および動画系」は21.9%(導入済み:7.0%+試験導入中・導入準備中:14.9%)、「コード系I」は20.8%(導入済み:7.6%+試験導入中・導入準備中:13.2%)で、「言語系生成AIには及ばないものの、各企業で導入が進みつつある姿がみえた」という。

言語系の業種グループ別での導入状況をみると、前回調査(2023年度)と比較して、「導入済み」の割合はどの業種グループでも伸びており、導入意欲の高さがうかがえる。
導入~導入準備中の段階を合算すると、
・社会インフラ:60.8%(導入済み:39.1%+試験導入中・導入準備中:21.7%)、
・金融・保険54.4%(導入済み:19.6%+試験導入中・導入準備中:34.8%)
・建築・土木50.0%(導入済み:27.3%+試験導入中・導入準備中:22.7%)
となるが、業種別で最も大きく伸びたのは、基礎素材型製造で前回14.4%(導入済み:3.9%+試験導入中・導入準備中10.5%)から今回37.7%(導入済み:22.1%+試験導入中・導入準備中:15.6%)と23.3ポイント増となり、「着実な浸透がみえている」という。

言語系は売上高別でも同様の結果で、いずれの区分でも導入が進んでいる。とくに売上高1兆円以上の企業では92.1%(導入済み:73.7%+試験導入中・導入準備中:18.4%)と、ほとんどの企業で導入準備段階まで進んでいる。

次に、導入が進む言語系生成AIの導入効果を尋ねた設問では、
・期待を大きく超える効果があった:4.0%
・おおむね想定どおりの効果であった:33.1%
・期待値には至っていないが一定の効果はあった:36.1%
となり、約7割(73.2%)の企業で「期待を大きく超える効果までは至らないものの、何らかの効果を感じている様子がみえる」とJUASではコメントしている。

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