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IBMの3Q決算、売上高150億ドルで1%増 ~コンサルティング事業とインフラストラクチャ事業が振るわず。Red Hat事業とAI事業は好調

iBMの四半期別業績(2014年3Q~2024年3Q)
iBMの四半期別業績(2014年3Q~2024年3Q)

 

IBMは10月23日(米国時間)、2024年度第3四半期の決算を発表した。

第3四半期の総売上高150億ドル(約2兆2800億円)で、前年同期比1%増(為替変動の影響を含めた場合)。粗利益86億ドル(5%増)、経費61億ドル(4%減)、営業税引前利益25億ドル(8%増)で、純利益は22億ドルとなり前年同期比6%増だった。1株あたりの営業利益は2.30ドル。フリー・キャッシュ・フローは66億ドル増となり、年初よりの合計で91億ドルとなった。

事業部別の売上高(いずれも為替変動の影響を除く)は、ソフトウェア事業は9.6%増の65億ドル、コンサルティング事業は0.2%減の52億ドル、インフラストラクチャ事業は6.7%減の30億ドルだった。

コンサルティング事業の業績が振るわなかったことについて、アービンド・クリシュナ CEOは記者発表の席上で、「地政学的問題、今後の選挙、金利やインフレ水準の変化など、いくつかの一時的要因に起因する経済の不確実性によるもの」と述べ、IBM ZとPowerを主管するインフラストラクチャ事業の不振については、製品ライフサイクルが谷間に来ていることを理由に挙げた。

記者発表で強調したのは、Red Hat事業とAI事業の好調である。

「今期はRed Hatの買収から5年という節目の年であり、両社の業績を誇りに思います。IBMが買収を発表して以来、Red Hatの収益は約65億ドルに成長し、規模は倍増し、年平均成長率は10%台半ばとなりました。OpenShiftの年間経常収益は約1億ドルから13億ドルに拡大し、10倍以上に拡大しています。また、Red Hatは買収以来、多くの新しい国に進出し、グローバルな足跡を多様化し続けています」

「企業向けAIでは引き続き牽引力を増しています。当社の生成AI関連の契約高は現在30億ドルを超え、前四半期比で10億ドル以上増加しました。内訳は、ソフトウェアが5分の1、コンサルティングが5分の4です。このような業績により、当社は、あらゆるテクノロジーシフトの初期段階において極めて重要な、初期のリーダー的ポジションを占めるに至っています」


第3四半期の部門別の業績は以下のとおり(増減率は、為替変動の影響を含めず)。

ソフトウェア事業

◎全体:65億ドル、9.7%増

◎分野別

・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:10%増(46億ドル)

  ・Red Hat:14%増
  ・自動化(Automation):14%増
  ・データ&AI:5%増
  ・セキュリティ:1%減

・トランザクション・プロセッシング:9%増(19億ドル)

◎ハイライト

・Red Hatは前四半期比で6%増の14%増
・OpenShiftとAnsibleは20%以上の成長、RHELは2ケタ台の増加
・トランザクション・プロセッシングの9%増には、watsonx Code Assistant for Zに対する顧客の関心が寄与している

ソフトウェア事業の部門別業績

ソフトウェア事業の部門別業績

コンサルティング事業

◎全体

売上高:52億ドル、横ばい

◎分野別

・ビジネス・トランスフォーメーション:2%増(23億ドル)
・テクノロジー・コンサルティング:4%減(9億ドル)
・アプリケーション・オペレーション:1%減(19億ドル)

◎ハイライト

・コンサルティング事業の業績は、「予想の下限を下回った」
・デジタル・トランスフォーメーションの契約件数は、2四半期連続で減少した
・生成AIに関して、今期に約10億ドルの新規予約を獲得
・ハイブリッド・クラウド環境向けのアプリケーション構築・デプロイなどを支援するRed Hat業務が引き続き2ケタ台の成長を遂げ、今期は最大の契約件数になった

コンサルティング事業の部門別業績
コンサルティング事業の部門別業績

インフラストラクチャ事業

◎全体

売上高:30億ドル、7%減

◎分野別

・ハイブリッド・インフラストラクチャ:9%減(18億ドル)

 ・IBM Z:19%減
 ・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):3%減

・インフラストラクチャ・サポート:3%減(13億ドル)

◎ハイライト

・IBM Z、IBM Powerとも製品サイクルの動きを反映して、それぞれ減少した
・分散インフラストラクチャではストレージが堅調に伸びる

インフラストラクチャ事業の部門別業績
インフラストラクチャ事業の部門別業績

地域別

・南北アメリカ:3%減
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):9%増
・アジア太平洋:3%増

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