IBMは7月24日、2024年度第2四半期の決算を発表した。
第2四半期の総売上高158億ドル(約2兆4300億円)で、前年同期比4%増(為替変動の影響を含めた場合)。粗利益91億ドル(5%増)、経費63億ドル(1%減)、営業税引前利益28億ドル(17%増)で、純利益は23億ドルとなり前年同期比14%増だった。1株あたりの営業利益は2.43ドル。フリー・キャッシュ・フローは11億ドル増となり、年初よりの合計で45億ドルとなった。
事業部別の売上高(いずれも為替変動の影響を除く)は、ソフトウェア事業は8.4%増の67億ドル、コンサルティング事業は1.8%増の52億ドル、インフラストラクチャ事業は2.7%増の36億ドルだった。
記者発表の席上でアービンド・クリシュナ CEOは、「IBMはAIをビジネス全体に浸透させてきました」と、AIおよび生成AIへの取り組みを中心に語った。
「当社がwatsonxと生成AI戦略をリリースしてから1年が経過しました。この間私たちは、お客様がハイブリッドクラウド環境を管理・最適化するためのツールから、.ai、.data、.govにわたるプラットフォーム製品、インフラストラクチャ、コンサルティングに至るまで、当社のすべてのセグメントでAIを適用してきました。生成AIに関する受注残高は現在までに20億ドル以上となり、内訳はソフトウェアが1/4、コンサルティングが3/4を占めています」
なお、コンサルティングについては「予想を下回る結果になった」として、1.8%増にとどまったことを公表した。
IBM Powerを含むインフラストラクチャ事業の分散インフラストラクチャ部門は5%増と好調だった。
第2四半期の部門別の業績は以下のとおり(増減率は、為替変動の影響を含めず)。
ソフトウェア事業
◎全体:67億ドル、8.4%増
◎分野別
・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:6%増(46億ドル)
・Red Hat:8%増
・自動化(Automation):16%増
・データ&AI:2%減
・セキュリティ:3%増
・トランザクション・プロセッシング:13%増(22億ドル)
◎ハイライト
・Red Hatは20%増、OpenShiftは40%増、RHELとAnsibleはそれぞれ2ケタ増
・watsonx、watsonx Assistant、最近発表したIBM Concertなどの生成AI関連が、AI事業に約5億ドル貢献した。
コンサルティング事業
◎全体
売上高:52億ドル、1.8%増
◎分野別
・ビジネス・トランスフォーメーション:6%増(24億ドル)
・テクノロジー・コンサルティング:1%増(9億ドル)
・アプリケーション・オペレーション:2%減(19億ドル)
◎ハイライト
・生成AI関連ビジネスのスタートから第2四半期末までの受注残高20億ドルのうち、約75%はコンサルティング契約。コンサルティング事業で生成AI関連ビジネスが好調
・ビジネス・トランスフォーメーション部門の売上には、財務およびサプライチェーン・トランスフォーメーション、データ・トランスフォーメーションが貢献した
インフラストラクチャ事業
◎全体
売上高:36億ドル、2.7%増
◎分野別
・ハイブリッド・インフラストラクチャ:6%増(24億ドル)
・IBM Z:8%増
・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):5%増
・インフラストラクチャ・サポート:3%減(13億ドル)[
◎ハイライト
・Z16の発売後2年以上が経過したが、収益はZ15を継続的に上回っている。Z16上のワークロードが増加し、ZのMIPS数・容量が増加している
・分散インフラストラクチャでは、IBM Powerとストレージがともに好調。Powerは、SAP HANAの利用が好調
地域別
・南北アメリカ:80億ドル、0.1%減
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):47億ドル、3%増
・アジア太平洋:31億ドル、17%増
[i Magazine・IS magazine]