IBMは1月25日、2023年度第4四半期と通期の決算を発表した。
第4四半期の総売上高は174億ドル(約2兆5784億円)で、前年同期比3.3%増。為替変動の影響を含めた場合は4%増。純利益は36億ドルで前年同期比9%増、1株あたりの利益は8%増の3.87ドルだった。
また通期の総売上高は3%増の619億ドル(約9兆1726億円)、為替変動の影響を含めた場合は2%増。ソフトウェア事業の通期の売上高は5%増、コンサルティング事業は5%増、インフラストラクチャ事業は5%減だった(いずれも為替変動の影響を含めない場合)。
IBM会長兼CEOのアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏は、「2023年は事業全体が成長し、3%の増収と110億ドル超のフリー・キャッシュフローを達成しました。2021年以降の各セグメントにおける平均収益成長率は私たちのモデルを超えるもので、この全体的傾向は、将来に対する私たちの見方を補強するものです。私たちは中期収益モデルの達成に自信をもっており、多角的なビジネスモデルの強みにより、四半期ごとに進歩を遂げることができます」と記者発表で語った。
第4四半期部門別の業績は以下のとおり。
ソフトウェア事業
◎全体
売上高75億ドル、2%増(為替変動の影響を除いた場合、以下同)
◎分野別
・ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューション:53億ドル、1%増
・Red Hat:7%増
・自動化(Automation):±0%
・データ&AI:1%増
・セキュリティ:6%減
・トランザクション・プロセッシング:22億ドル、3%増
●2023年通期:144億ドル、7%増
◎ハイライト
・生成AIとwatsonxの2023年第3四半期の売上高は「数億ドル台」だったが、第4四半期はその約2倍になった。「当四半期中に完了したパイロット事業の加速化を含め、数千件に及ぶ顧客との実践的な対話が続いている」
・Red Hatは7%増収となったが、年間の予約件数は17%増加した。
コンサルティング事業
◎全体
売上高50億ドル、5%増
◎分野別
・ビジネス・トランスフォーメーション:23億ドル、5%増
・テクノロジー・コンサルティング:10億ドル、4%増
・アプリケーション・オペレーション:18億ドル、6%増
●2023年通期:6%増
◎ハイライト
・戦略的パートナーシップ(SAP、AWS、マイクロソフト、セールスフォース、アドビ)関連の売上高は40%以上を占め、通期では契約件数、収益とも2桁成長を達成した。
・AWSとAzureは通年で50%以上の増収を達成した。
インフラストラクチャ事業
◎全体
売上高:46億ドル、2%増
◎分野別
・ハイブリッド・インフラストラクチャ:33億ドル、7%増(為替変動の影響を除いた場合は横ばい)
・IBM Z:8%増
・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):7%
・インフラストラクチャ・サポート:13億ドル、9%減(為替変動の影響を除いた場合は7%減)
●2023年通期:4%減
◎ハイライト
・z16の収益は、前世代z15のサイクルを大幅に上回っている。インストールされたMIPは約2倍
・Powerとストレージとも好調で、7%増となった。Power10が伸びる。
地域別(通期)
・南北アメリカ:317億ドル、2%増
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):185億ドル、1%増
・アジア太平洋:117億ドル、7%増
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