「IBM iユーザー動向調査 2023」の調査報告の第4回は、「情報システム部門の課題」をご紹介する。
最初に「IT部門が参画すべき短期・中期的な経営課題」の集計結果をご紹介したい。
これは、経営・業務目標の遂行に情報システムがより戦略的にかかわることが求められている現在、情報システム担当者が短期・中期的な経営目標についてどのような課題意識をもっているかを尋ねた設問で、毎回行っている調査項目である。
今回のトップ5は(カッコは前回)、
・業務効率・生産性の向上:67.5%(69.4%)
・DXの推進 :53.3%(56.5%)
・コスト削減 :39.0%(40.4%)
・人材確保・人材育成 :38.6%(46.6%)
・売上・収益の向上・改善:33.8%(33.8%)
というもので、前回(2022年)と同じ結果である。
一方、システム部門に目を転じたときの課題意識(情報システム全般の課題・問題)は、次のような結果だった。
トップの「システム要員の不足」は、前回、前々回(2019年)も1位で、今回は2位と27.3ポイントという大差差をつけての1位だった。また他の項目は、順位・回答率とも前回・前々回からほとんど変化していないのに対して、「システム要員の不足」は調査ごとに回答率が高まるという結果で、「システム要員の不足」が年々深刻化していることが見て取れる。
この結果は、i Magazineの取材で感じてきたことと符号する。その感想を整理してみると、
・IBM i(RPG)担当者が退職が目前(1~3年後)
・新しいシステム要件に対応可能な要員の不足・欠如
・相談できるベンダーの不足(ベンダーの技量不足)
とまとめることができる。
2番目の「新しいシステム要件に対応可能な要員の不足・欠如」の内容は、今回の調査結果の2位~9位(7位「IT予算の不足」を除く、下記)に表れている。能力、スキル、知識・情報という多岐にわたる要素に「不足がある」という認識で、「システム要員の不足」の解決には多面的なアプローチが不可欠であることが浮き彫りにされている。
・システム戦略に関する企画・立案力の不足:45.0%
・IBM iスキルの不足 :44.8%
・最新技術に関する情報収集・実装・構築力の不足:42.3%
・経営層に対する提案力の不足 :34.7%
・オープンソースに関する知識・情報の不足:28.9%
・ユーザー部門に対する提案力の不足 :28.2%
・外部サービス・製品に関する知識・情報の不足:26.9%
[i Magazine・IS magazine]