i Magazineでは「IBM iユーザー動向調査 2023」を今年7月15日~8月31日に実施した。
AIに関しては、AIツール/サービスとChatGPTについて利用状況を尋ねた。
AIツール/サービスの導入・利用状況は、以下の結果である。
「利用中」と「導入する予定・計画がある」がそれぞれ約10%で、「検討中」が約20%、「AIツール/サービスを利用する予定はない」が約60%を占める。「予定はない」が最多数だが、これに前回(2022年)と前々回(2019年)の調査結果を並べてみると、IBM iユーザーのAI受容の動向が見えてくる。
上図で一目瞭然なのは、「検討中」が前回よりも5.3ポイント増え(前々回からは17.6ポイント増)、「予定はない」が6.5ポイント減っていることである(前々回からは28.3ポイント減)。
前回調査から今回調査までのAI市場のトピックは、何を置いてもChatGPTに代表される生成AIの登場だろう。それまでは専門性がきわめて高く難解で高コストの領域であったAIを誰もが使える身近なものへと変えた、ということができる。
またこの数年間に、さまざまなタイプのAIツール/サービスが登場するとともに多様なユースケースが紹介され、ユーザー側に利用のための理解や適用が広がった。チャットボットや画像AI、音声AIはその代表格で、そうした動向が背景にあって、今回の調査結果になったと見られる。
ChatGPTの利用状況は、今回初めて設けた設問である。「利用に向けて、検討・調査を進めている」が全体の1/4の25.8%となり、「あまり興味はない」「まったく興味はない」の合計(22.5%)を上回った。「興味はあるが、検討・調査は行っていない」は約半数(51.7%)。
i Magazineでは今年4月にChatGPTをテスト利用中の複数のIBM iユーザーをヒアリングした。それへの反応は「ChatGPTの平易さ、回答の豊富さは大いに期待をもたせるが、業務にフィットする適用方法が見つからない」が大半だった。こうした点も、ChatGPTのユースケースが増えるに伴って解消され、適用が進むものと考えられる。
[i Magazine・IS magazine]