IDC Japanは10月26日、「生成AIに関する企業ユーザー動向調査」の分析結果を発表した。
生成AIに関する日本と世界の企業ユーザーの取り組みを比較分析したもの。また2023年3月と同7月の調査結果も比較している。調査対象は、マネージャー以上の役職で、従業員500人以上の企業に勤務するIT投資購入意思決定者。
以下の結果が読み取れる。
・日本の生成AIへの期待度は世界よりも高い。
・「何もしていない」は減少傾向にある。
・「生成AIの適用分野への可能性の検討」「投資傾向」とも上昇している。
IDC Japanは「国内と世界の比較において、日本が優勢する状況は比較的珍しい状況と考えられ、このことからも改めてChatGPTをきっかけとして国内の企業がAIの活用を再検討し、デジタルビジネスの計画と実行を加速していることがうかがえます」と分析している。
◆当社ではまだ何もしていない
◇2023年3月→2023年7月
・世界 38.9%→22.0%(n=952→n=890)
・日本 42.0%→18.0%(n=50→n=50)
◆当社では、可能性のある適用分野について検討を始めたところである
◇2023年3月→2023年7月
・世界 38.9%→49.2%(n=952→n=890)
・日本 34.0%→50.0%(n=50→n=50)
◆当社では2023年に生成AIテクノロジーに投資する/している
◇2023年3月→2023年7月
・世界 24.1%→28.7%(n=952→n=890)
・日本 24.0%→32.0%(n=50→n=50)
同調査は、想定する生成AIのユースケースや影響を与える事業領域についても調査した。それによると、「生産性の向上に貢献する社内向けのユースケース(コード生成、会話型アプリケーション、デザインアプリケーションなど)に期待が高く、マーケティングアプリケーションが低い点は、国内と世界で同じ傾向ですが、世界では、ユースケース全般で期待を持っている点が特徴的」とする。
また、生成AIが影響を与える事業領域については、「ソフトウェア開発/デザイン部門が高いと考える点は、国内と世界で同じ傾向ですが、世界では、サプライチェーンやカスタマーサービス部門への影響を想定する割合が、国内と比較すると高い傾向にあります」とし、「これらの違いを勘案すると、世界では、社内外のユースケースや事業領域に対して幅広に生成AIの利用を検討していることが想定されます」と述べている。
[i Magazine・IS magazine]