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ガートナージャパンがオンプレミスに関する展望を発表 ~もはやオンプレミスかクラウドかを問う時代ではない、「Newオンプレミス+Newクラウド」へ

ガートナージャパンは3月16日、オンプレミスに関する展望を発表した。多くの日本企業は、レガシーなオンプレミス環境の近代化を進める必要に迫られていると指摘している。

近年、ハイパースケーラー(大規模なクラウドサービスプロバイダー)が、ハイブリッドクラウドもしくは分散クラウドのソリューションの一部として、オンプレミスサービスを展開し始めるなど、さまざまなクラウドサービスの展開が進んでいる。

それを受けて、ハイパースケーラーと、従来のオンプレミスベンダーとの競合が再燃しつつある。こうした競争の中で、従来型 (Old) のオンプレミステクノロジーは衰退し、クラウドネイティブの要素を取り入れた新しいオンプレミス (Newオンプレミス))のテクノロジーへの移行が進み、結果としてユーザー企業はオンプレミスの在り方を変えざるを得なくなるとガートナーは見ている。

インフラ戦略およびイノベーションを率いるITリーダーは、Newオンプレミスへの理解を深め、備えを強化し、自社システムの将来を考察するとともに、「目利き力」を獲得するためにも、スキルやマインドセット、新しいスタイルを身に付ける必要がある。

すでに時代は、オンプレミスかクラウドかを問う時代ではなくなってきている。むしろ、「Oldオンプレミス+Oldクラウド」か、それとも「Newオンプレミス+Newクラウド」かの議論がますます重要になっていると捉えるべきである。

2026年までに、マイグレーションを検討するメインフレー・ユーザーの60%は、膨大な費用を提示され、マイグレーションを見送る

2022年に富士通がメインフレームからの撤退を発表した影響もあり、レガシー・マイグレーションが再びユーザーの関心を集めている。IBM、NECを除くメインフレームベンダーは基本的に撤退の方向であるため、ユーザーは何らかのマイグレーション計画を立案せざるを得ない状況にある。

一方で、メインフレームからオープン環境へのマイグレーションの提案を依頼したものの、想定していた金額よりも遥かに高い見積もりを提示され、マイグレーションを躊躇している多くのユーザー企業が見られる。本当に見積もりほどのコスト、時間、労力をかけるべきものなのかについて疑問を持つユーザーも多く存在する。

メインフレームのユーザー数が減少するに伴い、ベンダーから保守料金を大幅に値上げされ、途方に暮れるユーザーが、これからさらに増えると予想される。メインフレーム・マイグレーションに関しては、未来に向けたコスト最適化への配慮と戦略的投資の考え方を提案に含めるようベンダーやシステムインテグレーターに要請することが重要となる。

またマイグレーションでは、完璧なコピーを作ろうとするのではなく、まず業務システムを「松竹梅」の区分による棚卸し、仕分けを行い、使っていない業務システムを洗い出し、思い切って捨てることが最も効果的である。今の要件に過剰に拘らず、クラウドなどにあるものを割り切って使うこともマイグレーション戦略の重要な指針となる。

ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストの亦賀 忠明氏は次のように指摘している。

「時代はまさに『江戸時代 (的な従来型の時代) からNew World (新たな時代) へ』と転換し始めています。今後、時代変化はさらに加速し、従来型の業務とシステムは、2030年までに、時代が求める要請に対応できなくなるリスクが最大化していくでしょう。これはITだけの問題ではなく経営問題です。よって、CIOだけでなく、経営者は自らこの問題を『将来的に経営を揺るがす大問題』と捉え、大局的、戦略的かつリアリティを踏まえた課題解決に尽力することが重要です。なお、ベンダーの撤退に伴い緊急避難的にマイグレーションを行うことは仕方ありませんが、それでも、『江戸を江戸ダッシュにするのに100億円』といった膨大な費用の提示をうのみにしないよう注意が必要です」

[I Magazine・IS magazine]

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