NTT東日本とNTT西日本は12月8日、2024年1月から実施する固定電話のIP網への移行に関して、移行後のサービスを発表した。企業ユースの多いINSネット「ディジタル通信モード」については、地域別に段階的に移行するという(下図表)。
固定電話のIP網への移行は、NTT東西が提供中の固定電話網の中継交換機が2025年ごろに寿命を迎えるため、IPベースのネットワークに切り替えるもの(下図表)。この切り替えにより、固定電話網上のINSネット「ディジタル通信モード」でJCAや全銀ベーシック手順などを使ってEDIを行っている企業が影響を受ける。
現在、10万社以上と推定されるINSネット「ディジタル通信モード」のユーザー企業は、2023年中の代替策への切り替えが必要になる。
NTT東西では、2023年末までに代替策への切り替えが完了しない企業に対して、既存のISDN端末を利用する「メタルIP電話上のデータ通信」という「補完策」の提供を2024年1月2日から予定している。ただし、この「補完策」は、現在のINSネットよりも「平均で1.5~2倍程度遅い」との技術検証がある(インターネットEDI普及推進協議会の石金克也氏による)。またNTT東西では、契約者の利用状況により「補完策」の提供を終了すると予告している。これらを考慮すると、2023年の移行が必要になりそうだ。
・NTT東日本・NTT西日本「固定電話のIP網への移行後のサービスについて」
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/pdf/20221208_01.pdf
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