ケートリックの「consentFlow」は、ローコード開発と本格的なアプリケーション開発(プロコード開発)の両方に対応する「ハイブリッド開発システム」。これに加えて、高度な申請・承認ワークフローを直感的に開発できるエンジンの標準装備や、consentFlowがDominoベースであるためにNotesアプリケーションのモダナイゼーションにとくに強みを発揮するのが大きな特徴である。
代表取締役社長の田付和慶氏は、「アプリケーションの要所の開発では、ローコードでは機能が不足しプロコード用の機能が必要になることが少なくありません。そうした点を考慮し、死角のない開発プラットフォームとするためにconsentFlowを設計・開発しました」と、製品コンセプトを説明する。
ローコード開発ではDomino Designerが不要でWebブラウザによるビジュアル開発が可能、プロコード開発ではJava/XPagesによる高度な開発が可能である(図表1)
ケートリックでは2022年5月に、consentFlowと三和コムテックのRPAツール「AutoMate」との連携ソリューションを発表した。ソリューションの目的について田付氏は、「機密情報や機微情報を扱うことの多いDominoサーバーはオンプレミスで運用されていることが多いために、外部システムとの双方向のAPI連携がしにくいという事情があります。またREST API連携に不可欠なOAuth2をDominoサーバーが標準実装していないことも、外部システムとの連携が進まない理由になっています」と背景にふれる。そのうえで、「OAuth2を標準バンドルしREST API連携が容易なconsentFlowと、外部連携用の機能を多彩に備えるAuto
Mateとを連携させることによって、Dominoアプリケーションの守備範囲を飛躍的に拡大できることが確認できました。Dominoユーザーにとっての“壁”を超える目的でソリューションを発表しました」と述べる(図表2)。
田付氏は、consentFlowとAutoMateとの連携例として「交通費精算システム」を挙げる。図表3のような一連の業務処理が、「設定だけで可能になる」という。
①ユーザーが交通費精算の申請。AutoMateが検知しconsentFlowを起動
②consentFlowが申請内容をJSON化しネットワークドライブに転送
③ドライブへのファイル投入をAutoMateのイベントトリガーが検知し、ファイル作成のプログラムが起動
④提出された交通費データを外部「路線案内サービスを照合」。申請金額と路線案内サービスの料金がしきい値内であれば「次の承認者へ」、しきい値外であれば「差戻し」の判定
⑤結果をJSONでconsentFlowへ転送
⑥受信データを基に差戻し・承認処理
今回AutoMateを精査した田付氏は、「AutoMateのアクションや自動起動トリガーの機能性の高さに注目しました」と話す。そして連携ソリューションの可能性について、次のように言う。
「AutoMateのなかの極めつけの機能は、JSONやXMLをパース処理(データ解析・変換)する高度なデータ操作機能で、これらの機能とconsentFlowとを連携させると、Excelなども含めて社内システムを余すところなくREST API化でき、他の社内システムや多様な外部システムとの連携が容易になります。ソリューションの幅がアイデア次第で大きく広がると考えています」(田付氏)
ケートリック株式会社
https://www.ktrick.com/
三和コムテック(AutoMate)
https://automate.sct.co.jp/
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