Zabbix社およびZabbix Japanは2月16日、オープンソース監視ソフトウェアの最新版「Zabbix 6.0」をリリースした、と発表した。
Zabbixは、ネットワークやサーバー、仮想マシンなどその他のITリソースを監視・追跡するためのソリューション。Zabbix社によって開発され、GNU GPL(General Public License)のもと、オープンソースとして提供されている。Zabbix社は、「Zabbix Enterpriseサポート」などの有償サービスやZabbixアプライアンスの提供をビジネスとしている。
今回の6.0では、「開発チームや運用チームから要望の多かった機能を実装した」とし、ハイライトとして以下を挙げている。
ビジネスサービス監視
従来からの「ビジネスサービス監視」機能を大幅に強化し、ビジネスのサービスレベルの監視をより効率的に行えるようにした。新たに提供される「柔軟な条件設定、新しい計算ロジック、改善されたUIデザイン」の組み合わせにより、「ビジネスサービスの監視、根本原因の分析、ビジネスSLAレベルの監視など」が行えるという。以下の新機能を挙げている。
・「サービス」メニューデザインの一新
・1台のZabbixサーバーで10万以上のビジネスサービスを監視可能
・サービスステータスを計算するための新しい計算ロジック
・ユーザーごとのビジネスサービスへのアクセス権限設定
・ビジネスサービスツリーのエクスポートとインポート
・ビジネスサービスのステータス変化による通知のためのアクション設定
機械学習
新たなベースライン監視とアノマリー検知のトレンド関数機能により、過去のデータを利用した動的な障害検知が可能になった(従来は、静的な閾値による障害検知)。
Kubernetesの監視
Kubernetesの監視機能を標準搭載した。これにより、KubernetesノードおよびPodの自動検出と監視が可能で、Kubernetes基盤を複数の視点から監視できるようになった。りました。
・KubernetesノードとPodの自動検出と監視
・KubernetesノードやPodに関する情報をエージェントレスで収集
・Kubernetesノードホストからハイレベルな情報を取得可能
・以下のKubernetesコンポーネントも監視可能
- kube-controller-manager
- kube-apiserver
- kube-scheduler
- kubelet
監視データの収集と可視化の改善
新しいテンプレートとして、Dell、Cisco、F5、Cloudflareなどの機器のテンプレートを追加した。また、データ収集の改善に加え、収集したデータを可視化する新機能を追加した。
また、ジオロケーションマップ機能により監視対象のホストと障害を地図上に表示して監視対象全体を把握可能にした。新しいダッシュボードではトップNおよびボトムNのデータ概要、改良されたベクターグラフ、SLAステータスの表示などの新しいウィジェットを利用できる。
今回発表されたZabbix 6.0は、LTS(Long Term Support)版。Zabbixには、LTS版とポイントリリース版という2つのリリース形態があり、LTS版は約1年半ごとにリリースされ、リリーズ後5年間と2年間の延長サポートが提供される。ポイントリリース版はLTS版のリリース後、約半年ごとにリリースされるバージョンである。
Zabbix社では、Zabbix 6.0の「Zabbix Enterpriseサポート」を2月16日から開始した。また、Zabbix 6.0のアプライアンス製品やトレーニングは4月からの開始予定という。
[i Magazine・IS magazine]