世界のDX投資は2025年に2兆8000億ドル(約322兆円)に達し、2020年の2倍以上になる、とIDCが予測している(11月9日発表)。2021~2025年の年平均成長率(CAGR)は16.4%増で、「パンデミックが発生した2020~2021年でも大半のDXプロジェクトは順調に進んでいたが、2022年にはDXテクノロジーへの投資が加速し、より長期的な戦略的デジタル目標へ向けて新たな取り組みが始まる」と、分析している。
IDCが分類した「300以上のDXユースケース」の中で、最も急速に支出が伸びるのは「学生向け仮想化ワークスペース(virtualized student workspaces)」で、年平均成長率は43.8%増。次いで「採掘作業支援(mining operations assistance )」(年率39.1%増)、「拡張デザイン管理(augmented design management )」(年率34.5%増)の順である。2021~2025年の年平均成長率が10%に達しないのは300以上のDXユースケースの中で「5つだけ」という。
DXへの投資を業種別に見ると、最大は「製造業」(ディスクリート、プロセスの両方を含む)で、2025年には8160億ドル以上になり、DX支出全体の約30%を占めるようになる。2021~2025年に最も急速に成長する業種は、「建設業」(年率21.0%増)、「証券・投資サービス業」(年率19.2%増)、「銀行業(年率19.0%増)。また、2025年には、「ロボティックス・マニュファクチャリング(robotic manufacturing)」への投資が1206億ドルへと拡大し、続いて「オートノミック・オペレーション(autonomic operations)」が909億ドル、「360度の顧客・顧客管理(360-degree customer and client management)」が747億ドルになると予測している。
地域別では、「米国」が最大のDX市場で世界の約1/3を占める。2位は「西ヨーロッパ」、3位「中国」の順。中国は、5年間の年平均成長率が18.4%増となり、世界全体の年平均成長率を上回る。「ラテンアメリカ」も17.5%増の成長で、世界の平均を上回るという予測である。
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