会社設立準備中のキンドリル(Kyndryl)は7月1日(現地時間)、主要10地域の責任者と今後の事業概要などを発表した。
主要10地域の責任者(社長または会長)は、以下のとおり。いずれも各地域のIBMの役員クラスで、IBMでキャリアを積んだベテランぞろい。キンドリル英国&アイルランドの責任者には、女性のトスカ・コランジェリ(Tosca Colangeli)氏が任命されている。これら10地域の売上高は、キンドリル全体の3/4以上を占めるという。
・キンドリルアメリカ Matt Milton(マット・ミルトン)
・キンドリルカナダ Xerxes Cooper(クセルクセス・クーパー)
・キンドリル英国&アイルランド Tosca Colangeli(トスカ・コランジェリ)
・キンドリルフランス Philippe Roncati(フィリップ・ロンサティ)
・キンドリルドイツ Markus Koerner(マルクス・ケルナー)
・キンドリルイタリア Paolo Degl’Innocenti(パオロ・デグル イノチェンティ)
・キンドリルスペイン&ポルトガル Luis Roca Fernandez(ルイス・ロカ・フェルナンデス)
・キンドリルオーストラリア&ニュージーランド Kerry Purcell(ケリー・パーセル)
・キンドリルインド Lingraju Sawkar(リングラジュ・サウカル)
・キンドリルジャパン 上坂 貴志(うえさか・たかし)
また上記以外の地域については、新たに戦略市場担当社長に任命されたRick Ruiz(リック・ルイズ)氏が担当する。全世界で責任者の数を絞ったことについてキンドリルでは、「簡素化されたグローバルリーダーシップモデルの導入」と説明している。
日本法人キンドリルジャパンの社長に任命された上坂貴志氏は、現在、日本IBM 執行役員で、グローバル・テクノロジー・サービス事業本部 インフラストラクチャー・サービス事業部長。1994年の入社後、金融機関担当のSEとなり、主に金融・保険分野でキャリアを積んできた。2017年1月に執行役員に昇格し、2020年2月から現職。1970年生まれの51歳。
今後の事業展開としては、6つの事業エリアと1つの部門の設立を発表した。事業エリアは、
・クラウド
・アプリケーション、データ、AI
・セキュリティ&レジリエンス
・コア・エンタープライズ&zCloud
・ネットワーク&エッジ
・デジタルワークプレース
の6つで、このそれぞれの事業エリアに「マネージドサービス」「アドバイザリーサービス」「インプリテーション」の機能をもたせる。いわば1つのエリアで、そのエリアに関連するすべてのITサービスを提供できる体制である。キンドリルグループの社長を務めるエリー・キーナン氏は、「複数のサービスを6つの事業それぞれに統合することによって、お客様のデジタル・トランスフォーメーションをサポートできる体制を整えられる」と説明している。
もう1つの部門は、「アドバイザリー&インプリメンテーション・サービス(Kyndryl Advisory and Implementation services)」で、この部門には「ビジネスおよびテクノロジー分野の上級幹部が参加」し、「クラス最高のデジタル環境や先進技術の導入・統合に関するアドバイスを行う」という。事業横断型のコンサルティング部門のようである。
キンドリルは年内に設立される予定で、キンドリル本社の経営陣も着々と決まりつつある。
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