初期設定を変更すれば
132桁×27行へ画面拡大
「最近のIBM iはDXに紐づけて語られることが多くなっていますが、その設計思想と実現している世界から考えるならば、SDGsのほうが合っているように思います。持続可能な世界を目指すSDGsの“産業と技術革新の基盤”や“強靭なインフラ”という開発目標は、IBM iが備えている特徴そのものです」と話すのは、アイエステクノポートの金澤廣志 代表取締役社長である。
しかし、現実のIBM iの世界で進んでいるのは、「IBM iの特徴を有効活用していない、残念なことがほとんどです」と、金澤氏は指摘する。
「たとえば、IBM iの画面サイズは80桁×24行だと信じられています。これは5250エミュレータのデフォルトがそうなっているだけで、設定を変えるだけで132桁×27行へ拡大できます。マウスを使う機能も、カラー化やGUIに必要な機能も20年以上前から標準で揃っているのです」
言語コードについても同様という。
「IBM iをオープン系(ASCII、Unicode)とつなぐ際に、言語が通らないので連携が困難と思っている人が非常に多くいます。しかし言語コードの設定をデフォルトの日本語2962から日本語2930へ変えさえすれば、大半の問題は解決します」
同社は、UT/400やS/D Managerといったミドルウェア製品の開発のほかにSI事業も手がけているが、「お客様にIBM iだけで実現したGUIやオープン系連携のデモをお見せすると、ほんとうにびっくりされます」と、金澤氏は話す。
IBM iの特徴を活かすことは
運用負荷の軽減につながる
金澤氏は、IBM iの特徴を活かすことはシステムをよりシンプルにし、運用・保守の負荷を軽減することにつながる、と言う。
「つまり、IBM iの特徴を活かしてできることはIBM iでやるほうがいいのです。そのことをご存じないために、システム化を諦めたり不要と思える投資をしているお客様があまりにも多いと感じています」(金澤氏)
同社が開発したミドルウェア製品は、すべてIBM i上で稼働する。「分散サーバーなどの管理にお客様の工数を割いてほしくない」という考えからだという。
SS/TOOL-ADVは、同社が今最も販売に力を入れているIBM i資産の可視化・分析ツールである。システムの構造やファイルとプログラムの関連、プログラム同士の関連などがリアルタイムに把握できる。システムの保守・改修、拡張には欠かせないツールになる。
「自社システムの今後を考えるには、資産の把握が必要です。そのことは常識と言っていいことですが、IBM iの機能を使えば、実現できないと思っている多くのことが実現できることも知っておいてほしく思います。IBM iは、最新技術への対応機能を詰め込んだ強力なプラットフォームです。つまり“産業と技術革新の基盤”なのです。その観点で今後を考えることが非常に重要だと思います」
[i Magazine 2021 Spring(2021年4月)掲載]