メルカリの研究開発組織「mercari R4D」は5月31日、大学・研究機関と共同で量子ネットワークの研究・開発のための産学連携コンソーシアム「量子インターネットタスクフォース(Quantum Internet Task Force:QITF)」を設立した、と発表した。
量子インターネットは、量子データを広域で安定的に送受信するためのシステム。現在利用されているデジタルデータを送受信するためのネットワーク基盤とは抜本的に異なり、量子データの汎用通信基盤として、量子トランスフォーメーションや量子前提社会に不可欠な社会インフラとなると予測されている。具体的には、広域・遠隔環境での分散量子計算、攻撃不可能な通信セキュリティ、プライバシー保護されたデータ処理、超高精度時刻同期、高精度宇宙望遠鏡など、現在のネットワーク基盤や古典コンピュータでは実現できないものへの貢献が期待されているという。
QITFは、量子インターネット領域における日本中の研究者・開発者を組成して研究開発に取り組み、量子インターネットの実現と標準化、社会へのコミットメントを目指す。呼びかけ人の「mercari R4D」は、量子インターネットアーキテクチャや通信プロトコルなどの研究に取り組み、次世代インターネットの実現を目指して、QITFの活動に貢献する、としている。
メンバーは現在約30名。大阪大学、沖縄科学技術大学院大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、国立情報学研究所、情報通信研究機構、東京大学、日本大学、株式会社メルカリ、横浜国立大学、早稲田大学からの参画がある。
ボードメンバーは以下のとおり。
・大阪大学 助教 生田力三
・沖縄科学技術大学院大学 准教授 高橋優樹
・慶應義塾大学 特任講師 佐藤貴彦
・情報通信研究機構 研究員 逵本吉朗
・東京大学 講師 佐々木寿彦
・株式会社メルカリ シニアリサーチャー 永山翔太(ファウンダー)
・国際基督教大学 准教授 山崎歴舟
・横浜国立大学 准教授 堀切智之
・横浜国立大学 助教 関口雄平
事務局は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに設置され、同大学教授のRodney Van Meter氏が統括するという。
・量子インターネットタスクフォース(Quantum Internet Task Force:QITF)
・ホワイトペーパー「“The”量子インターネット」
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