日本IBMは11月4日、IBM Cloud上でPower Systemsのコンピューティング・リソースを利用できるクラウドサービス「IBM Power Systems Virtual Server」(以下、Power VS)を東京リージョンで10月31日から提供を開始した、と発表した。大阪リージョンでは2021年3月からの提供が予定されている(編集部注:大阪リージョンでの提供は当初12月からと発表されていましたが、2021年3月に変更になりました)。
Power VSは、IBM iやAIX、Linuxを、PowerVM上の「LPAR as a Service」(=仮想サーバー)として提供するサービス。ユーザーは、CPU、メモリ、ストレージなどのシステム資源を「IBM Cloudカタログ」(画面)を介して利用でき、プロビジョニングおよびスケールアップ、スケールアウトを高速に行うことができる。また、IBM Cloud上のAI、機械学習、ブロックチェーン、IoTといったさまざまなサービスに容易にアクセスでき、従量課金で利用可能だ。
プロビジョニング可能なリソースは以下のとおり。
・仮想サーバー・インスタンスの数
・コアの数
・メモリの量
・データ・ボリュームのサイズとタイプ
・ネットワーク・インターフェース
・OSは、IBM iが7.2以降、AIXは7.1以降
このほか、ユーザーが独自に開発したイメージ(アプリケーション)の持ち込みも可能である。
東京リージョンで利用できるハードウェアは、IBM Power System S922 (9009-22A) とIBM Power System E980 (9080-M9S)のPOWER9サーバー。POWER8のIBM Power System E880 (9119-MHE) はダラスとワシントンでのみ利用可能である。
IBM iの利用料金例としては、Power S922プロセッサの1コア未満のワークロードで、メモリ8GB、ディスク500GBを利用した場合、月額886ドルが示されている。
Power VSの東京リージョンでの提供開始は、ダラス(2拠点)、ワシントンDC、フランクフルト(2拠点)、ロンドン(2拠点)、トロント、シドニーに続く10番目。ダラスでの最初の提供開始(2019年6月)から数えて1年4カ月後になる。
東京・大阪リージョンにおけるPower VSの提供開始は、Power Systemsユーザーのクラウド利用に大きなインパクトを与えると思われる。また、Power Systems向けのパッケージやツール、サービスを提供しているベンダーの動向にも影響を及ぼしていくと思われる。
関連資料
・IBM Power Systems Virtual Serverのリリースノート
・IBM Power Systems Virtual Server の概説
・IBM i仮想マシン (VM) の構成方法の説明
・IBM i仮想マシン (VM) への接続についての説明
・IBM i仮想マシン (VM) のネットワーク・インターフェースを追加/削除する方法についての説明
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