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06 業務アプリケーション

統合型から業種・業務特化型
多彩なソリューション

IBM iは、企業の基幹システム運用を前提に開発されたプラットフォームである。

現在、IBM i導入ユーザーのほとんどが、基幹システムを運用している。高度な信頼性、可用性、運用性に基づき、企業システムが求める要件を高いレベルでクリアしているからこそ、IBM iは企業の中核業務を支える基幹プラットフォームとして、30年近くユーザーに支持されてきたのであろう。

一般に基幹システムの再構築には、3つのアプローチがある。

1つ目は、スクラッチ開発で自社のニーズをきめ細かく反映した独自システムを構築するアプローチ。

2つ目は、ERPソリューションや統合業務パッケージを導入し、パッケージの仕様に合わせて業務改革を推進して、できるだけノンカスタマイズでの構築を実現するアプロ—チ。

そして3つ目はその中間型で、パッケージ製品を導入しつつ、カスタマイズ開発により自社の独自要件を実現するアプローチである。

IBM iではその歴史的な経緯から、他のサーバー分野に比べると、RPGやその他の言語/ツールでスクラッチ開発した独自システムを運用する例がよく見られる。ツール・ソリューション編の「01 開発・モダナイゼーション」でも解説したように、そうしたニーズを支える多彩な開発ツールが、IBM iでは利用可能である。

今もそうした自社開発型のシステムは数多く運用されているが、その一方、近年はERPソリューションや業務アプリケーションをうまく活用して基幹システムを再構築し、自社のニーズをよりよく実現するケースも増えている。

IBM i市場では現在、代表的な海外製ERPソリューションをはじめ、業種特化型あるいは業務特化型の多彩なパッケージ製品が提供されている。

たとえばERPソリューションの代名詞ともいうべき「SAP Business Suite」や、IBM i市場で長い歴史と実績を誇る「JD Edwards EnterpriseOne」、生産管理を中心に導入されている「Infor ERP」、過去に7000社以上の企業に導入された日本IBMの統合型アプリケーションパッケージである「iSeries Site」など。

また「Blue iSite」は、このiSeries Siteをベースに各種機能を搭載した、中堅・中小企業向けのオールインワンパッケージである。人事・給与・会計・販売管理・生産管理の全領域をカバーし、PDFとワークフローのエンジン、およびWeb対応機能を備える。独自ニーズにはカスタマイズでサポートし、開発・提供元であるiBIアライアンス各社のソリューションと柔軟に連携できる点も、Blue iSiteの強みの1つであろう。

長年にわたるSI経験で蓄積したノウハウを活かし、ソフラが各業種向けのパッケージとして提供しているのが、「SOFLAパッケージ」である。一般卸業をはじめ、電子部品、食料品卸、鉄板加工、製造卸など、流通から製造までの卸業務に向けた豊富なパッケージ製品が揃っており、自社のデータセンターである「SOFLAクラウドサービス」と連携しながら、オンプレミスとクラウド双方のニーズに対応している。

また基幹業務のなかでも財務会計システムは標準化が進んでいるので、生産管理や販売管理などと異なり、企業の独自要件が生じにくい。IFRSや法改正への対応頻度が高いこともあり、この領域ではパッケージ製品の活用が進んでいる。

IBM i市場の財務会計分野で高いシェアを誇るのは、「SuperStream/400」である。管理会計・財務会計・連結会計を共通のDBで管理し、支払管理や固定管理など豊富なモジュールを揃える。海外製のERPソリューションに比べると導入コストが低額であり、ローコスト版の「SuperStream/Light」とあわせて、中堅・中小企業を中心に導入実績を拡大している。

このほか、倉庫・物流業に特化した「new WH/400」「UN/400」、保険調剤薬局のトータルソリューションをクラウド型で提供する「PIS/400」、やはりクラウド型で給与・人事・就業管理を支援する「e-給与、e-就業」など、多彩なソリューションが提供されており、IBM iの業務運用を支えている。[i Magazine編集部]

 

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●記事で紹介したツールのベンダー

SAPジャパン
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