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クリシュナCEO、1年目の業績は? ~IBM、2020年度決算を発表

 

IBMは1月21日、2020年第4四半期決算(10~12月)と年間決算を発表した。また、21日午後5時(現地時間)からアービンド・クリシュナCEOとジェームズ・カバナーCFOによる記者説明会(オンライン)を開催した。

2020年第4四半期の業績は204億ドルで、前年同期比6%減。通期は736億ドルで、対前年比4%減となった。四半期ベースでは、2018年第3四半期から10期連続で前年同期比マイナス。年度ベースでは、2012年度からマイナス傾向が続いている。

 

図表 IBMの売上高推移(2005年~2020年)

 
図表 IBMの四半期売上高推移(2018年~2020年)

 

 

クリシュナ氏は、業績のハイライトとして、以下の4点を挙げた。

クラウド事業の拡大:対前年比20%増の251億ドルとなり、総売上高(736億ドル)の34%となった。

Red Hat事業の躍進:対前年比17%増となり、ハイブリッドクラウド2を利用する顧客数は2800社以上になった。

分社化のための出費:分社化のための予算23億ドルのうち20.4億ドルを出費した。2021年に残りの2.6億ドルを出資する予定。

流動性ポジションの強化:手元現金は143億ドルとなり、かつ負債が110億ドル以上削減されたため財務の健全性が向上した(Red Hat買収時の負債総額730億ドルが614億ドルに減額)。

 

セグメント別の業績(2020年)

以下はセグメント別の業績である。

 

クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業:234億ドル(2%増、以下すべて対前年度比)

 ・Red Hatを含むクラウド&データ・プラットフォーム部門:115億ドル(20%増)
 ・コグニティブ・アプリケーション部門:53億ドル(3%減)
 ・トランザクション処理プラットフォーム部門:66億ドル(17%減)

グローバル・ビジネス・サービス事業(GBS):162億ドル(4%減)

 ・アプリケーション・マネジメント部門:71億ドル(7%減)
 ・コンサルティング部門:81億ドル(1%減)
 ・グローバル・プロセス・サービス部門:9億ドル(5%減)

 

グローバル・テクノロジー・サービス事業(GTS):258億ドル(5%減)

 ・インフラストラクチャ&クラウドサービス部門:197億ドル(5%減)
 ・テクノロジー・サポート・サービス部門:61億ドル(6%減)

システム事業:70億ドル(9%減)

 ・システム・ハードウェア部門:55億ドル(8%減)
   ・IBM Z:1%増
   ・Power Systems:23%減
   ・ストレージ:7%減

 ・オペレーティング・システム・ソフトウェア部門:15億ドル(11%減)

グローバル・ファイナンス事業:2.86億ドル(5%減)

 
図表 IBMの事業分野別売上比率(2020年)

地域別
 
 ・南北アメリカ:341億ドル(4%減)
 ・欧州・中東・アフリカ:236億ドル(4%減)
 ・アジア・太平洋:159億ドル(4%減)

クリシュナ氏は記者発表の中で、「2020年は、不確実なマクロ環境と戦いながら、顧客のデジタルトランスフォーメーションの基盤となるハイブリッドクラウド基盤を成長させた。2021年は、ハイブリッドクラウドとAIへの取り組みを確固たるものにすることによって、収益の拡大を図ることができると確信しています」と述べた。

 

 

・日本IBM ニュースリリース

・米国IBM ニュースリリース

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