日本IBMは10月16日、IBM Cloud Pak for Data V3.5を発表した。
IBM Cloud Pak for Dataは、AIを本格的に活用するための統合データプラットフォームで、データの収集・変換・編成からAIを活用するまでのプロセスを統合的にサポートする製品である。Red Hat OpenShiftベースなので、OpenShiftをサポートするAWS、Azure、Google Cloudなどでも利用でき、マルチクラウドでシステムを構築することもできる。
今年(2020年)5月にメジャーバージョンアップの「V3.0」がリリースされており、V3.5はその半年後の登場となる。
今回のV3.5について、IBMのヒーマンス・マンダ氏(Data and AI担当 Executive Director)は、「コストの最適化」と「DX推進のためのイノベーション」と、ブログ(こちら)で述べている。また、11月18日に開催されたWebセミナー(こちら)でも説明しているので、それらとニュースリリースを合わせてまとめてみたい(「コストの最適化」は、Webセミナーでは「コスト削減」となっている)。
特徴の1点目である「コスト削減」は、次の2点により実現する。「・」はその内容で、個別機能の追加・改善。
(1)ユーザーエクスペリエンスの改善
・直感的な操作を可能にするナビゲーション機能の向上
・単一の統合的インターフェースをもつデータ管理コンソールの提供
・コネクションカタログによるデータ/プラットフォームの容易な接続
(2)簡素化されたプラットフォーム管理と強化された自動化
・リソースの引き当て/割り当てをすばやく行えるプラットフォーム管理機能
・ワークロードの統合的な管理を可能にするデプロイメント機能
・OpenShiftによる強化された自動化機能
・インストールからライフサイクル管理を簡素化する「IBM Cloud Pak for Data Operator」の新規搭載
特徴の2点目である「DX推進のためのイノベーション」では、次の3点が挙げられている。
(1)AIの加速
・ディープ・ラーニングのワークロードを加速する「IBM Watson Machine Learning Accelerator」
・複数の組織による機械学習モデルの学習
(2)データガバナンスとセキュリティの改善
・ユーザー管理、機密情報管理の強化
・データ分析などにおけるプライバシー情報の匿名化・保護強化
・AIのための業種特化型のアセット「IBM Open Data for Industries」の提供
→アセットは、サンプルデータ、事前構築済み機械学習モデル、サンプル・ダッシュボードで構成。現在、サプライチェーン予測、水質管理、保険クレーム処理など36種のアセットがリストされている。サイトはこちら。
(3)エコシステム
・サードパーティの新規加入
下の画面は、Webセミナーで使われたスライドで、プレゼンの内容がまとめられている。
[i Magazine・IS magazine]