PowerSystem S922のAモデル・GモデルとPower System E980の3機種で、IBM i 7.1が利用できる--IBMが11月10日付けの製品レター(英文=こちら)で明らかにしたもので、11月20日からアクティベーションにより利用可能になるとしている。
製品レターには、次のような制限事項が明記されている。
・S922ではVIOS(仮想I/Oサーバー)が必要で、IBM i 7.1を利用する区画を制限付きI/Oモードに設定する必要がある。
・4コア搭載のS922(A・Gモデル)ではサポートされない。
・1コア搭載のS922(Gモデル)ではアクティベーションはサポートされない。
・E980ではVIOSが必要で、IBM i 7.1を利用する区画を制限付きI/Oモードに設定する必要がある。
IBM i 7.1は2010年4月に発表されたOSで、2017年9月に営業活動を終了。2018年4月にプログラムサービスを終了し、現在、2021年4月までの期限付きで有償延長サポートが提供されている。
今回の施策は、POWER7/7+マシン上でIBM i 7.1を使い続けるユーザー向けの救済措置で、IBMにとっては“ユーザーの離反防止策”であると考えられる。
POWER7マシンは2019年9月末にプログラムサービス(通常の保守サービス)を終了済みで、POWER7+マシンは2020年12月末にプログラムサービスの終了を迎える。そうした中で、IBM iの多数のユーザーは、今後のシステム化方針を定め得ないまま有償保守サービスの延長を選択していると見られ、IBM iシステムの継承・継続か、異なるシステム・アーキテクチャの選択か、別プラットフォームへの移行か、など今後の判断が注目されている。
中堅・中小規模の企業が大多数を占めるIBM iユーザーは、新型コロナの影響を大きく受け、事業面で厳しい状況に直面している。その中で、基幹サーバーとOSのサポート終了という待ったなし状況は、きわめて大きな重荷になっている。
今回の施策により、POWER7/7+をPOWER9へ移行させても、IBM i 7.1の利用が可能になる。OSのライセンス費用分は軽減できる。
●図表(赤地部分が今回発表)
[i Magazine・IS magazine]