第3四半期の米国の成長により、クラウド市場の底力を実証
2022年11月1日、ネバダ州レノ
Synergy Research Groupは11月1日(米国時間)、米国クラウド市場の2022年第3四半期の市場規模を発表した。それによると、前年同期比で30%増で「230億ドルに迫り」、12カ月後の売上高は840億ドルに達すると推定している。Synergyのクラウド市場調査には、IaaS、PaaS、Hosted Private Cloud(サービス事業者のシステム資産を、ユーザーが自社占有クラウドとして利用し、運用を事業者に任せる形態)が含まれる。
2022年第3四半期の30%という成長率についてSynergyは、過去14四半期の前年同期比27~34%増の「中点に近い伸び率」と指摘し、「第3四半期の世界全体の成長率は、歴史的なドル高と中国市場の厳しい制限から打撃を受けたが、米クラウド市場の根本的な強さを実証している」と述べている。
米クラウド市場をリードしているのはアマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社で、3社合計で76%を占める。このうちアマゾンのシェアは「徐々に拡大している」が、中小クラウドプロバイダーも「急成長中」で、特にSnowflakeとMongoDBは、PaaSサービスを通じて成長を続けているという。
Synergy Research Groupは米国クラウド市場の発表に先立って、10月26日に世界クラウド市場の2022年第3四半期ベンダー別規模を発表している。
それによると世界全体の市場規模は、昨年度第3四半期から110億ドル以上増加し「570億ドル超」。アマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社合計のシェアは、前年同期から5ポイント増加し、66%になった。またIaaSだけを見ると、3社合計のシェアは72%に達するという。
Synergyは「この3社以外のクラウドプロバイダーはこの1年間で約3ポイント、シェアを落としたが、それでも2桁の力強い収益成長を見せている。これらの企業にとって重要なのは、大手3社を凌駕できるような市場の特定部分に焦点を当てることである」とコメントしている。