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<Column 5> ハイブリッドクラウド移行(中期)計画を作る

 わかりやすく言えば、ハイブリッドクラウド化とは、インターネット以前から存在するレガシー企業を部分的にでもアマゾンのようなクラウドネイティブ企業へ移行する一大プロジェクトである。
 
 最終的なプロジェクト完了には、年単位の期間が必要になるだろう。このためIBMではいきなり個々のアプリケーションをクラウド化やコンテナ化するのでなく、中期計画として一連の要件定義書、設計図、具体的プロジェクトを策定するよう推奨している。
 
 ビジネス視点でのDX目標決定からスタートし、ビジネスとITの現行分析を行い、TO BEモデルを策定する。TO BEモデルと現行とのギャップを評価し、優先度をつけた移行ロードマップを作成し、具体的なプロジェクトを決定する。
 
 ハイブリッドクラウド移行(中期)計画策定は、コンサルティング領域が主軸となる。IBMには現行ビジネス、業務、ITを分析・評価するさまざまな分析手法やコンサルティングサービスのノウハウがある。SCN(Strategic Capability Network)は、その一例である。
 
 最初にSCNなどのコンサルティング手法を用いて、現行の業務視点・IT視点を合成した全体概要図(図表1)を作成する。この全体像から、ハイブリッドクラウド移行した際のアーキテクチャ全体図を検討し設計する。
 
 図表1のような全体概要図を(必要ならコンサルティングを通じて)策定したあと、ビジネス目標、DX目標と掛け合わせて将来のITアーキテクチャ概要を決定する(図表2)。
 
 
 
 
 Part1で紹介した図表3と4は、図表2のような将来のITアーキテクチャ概要を具体化した一例である。
 
 実際にはさらにブレークダウンして、個々の課題点・改善案について具体的な要件・非機能要件を検討し、結果を詳細レベルの課題点・改善案にまとめ上げる。それを具体的なIT化計画として定義し、それぞれの企業の優先順位に従ってDX推進(ハイブリッドクラウド移行の推進)を進めていくのである。
 
 
 

著者|

佐々木 幹雄

 
日本アイ・ビー・エム株式会社
システム事業本部 Power Systemsテクニカル・サポート
コンサルタントITスペシャリスト
 
AS/400誕生とほぼ同時期からIT業界に関わる。IBM i やPC、ネットワーク機器など一般企業のIT基盤の提案・構築、アーキテクトなどを幅広く経験。IBM i エバンジェリストとしての活動もある。
 

 

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特集|IBM iのマイクロサービス化

 
 
 
 
 
 
 
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Column 1 OpenShiftかKubernetesか
Column 2 どこでもKubernetes
Column 3 ミドルウェアのコンテナ化対応
Column 4 SCNは戦略策定のためのフレームワーク
Column 5 ハイブリッドクラウド移行(中期)計画を作る
Column 6 アジャイルはSoEだけのものか?
Column 7 IBM iサービスとDb2 for iサービス
Column 8 IBM iのクラウドサービス
Column 9 コンテナテクノロジーを導入しても、イノベーションは起きない

[i Magazine 2020 Spring掲載]

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