IBM i用のソフトウェアを多数開発・販売するFresche Solutionsは、12月15日、投資会社のAmerican Pacific Groupが同社を買収した、と発表した。買収金額や詳細は公表されていない。新しい社長兼CEOには、2016~2017年に同社の経営幹部を務めたスティーブン・ウッダード(Stephen Woodard)氏が着任した。同社のホームページを見ると、経営陣もほぼ全員が交代になったもようだ。
Fresche Solutionsは、カナダ・モントリオールに本社を置くソフトウェア企業。2012年に設立され、直後から積極的なM&A戦略を展開してDataboroughやlooksoftware、Quadrant Softwareなどを買収し、製品ポートフォリオを拡充してきた。日本では、IBM i用資産可視化&分析ツールの「X-Analysis」をジーアール ソリューションズなどが、Webアプリケーション開発ツール「looksoftware」をソルパックが販売中だ。
一方、買収したAmerican Pacific Groupは、米サンフランシスコに本社がある投資会社で、2019年11月に設立。ファウンダーのフレイザー・プレストン(Fraser Preston)氏は、投資会社H.I.G.Capitalの在籍時代にIBM iベンダーのHelpSystemsの買収を手がけた経緯がある(HelpSystemsは、AutoMateやGoAnywhereなどの開発元)。
今回の買収について、投資専門メディアの「private equity wire」は、買収はAmerican Pacific Groupとシンガポールの投資会社Northstar Capital、および社長に就任したウッダード氏が率いるチームによるもの、と報じている。
IBM i分野では、2010年代後半以降、ソフトウェア企業のM&Aが活発に行われ、Fresche Solutions、HelpSystems、Preciselyなど少数のベンダーの元に製品が集中しつつある。今回の買収は、その一角であるFresche Solutionsが対象になったもので、IBM i市場の再編は今後も続いていくものと思われる。
Fresche Solutionsのリリース文はこちら。
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