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データ接続から可視化までを一体化したBIツール「Domo」~イグアスがコンサルティングサービスを開始

 

コネクタからダッシュボードまでを
1つのアプリケーションで

 イグアスは2020年10月、企業のスピーディかつ客観的な意思決定を支援するクラウドサービス「Domo」のライセンス販売、およびそのコンサルティングサービスを開始した。

 これにより、VADとしてIBM製品をはじめハードウェアからソフトウェアまで多彩なソリューションを提供してきた同社に、コンサルティングサービスを軸とした新たなビジネスモデルが加わることになる。

 Domoは、企業内の大量データをリアルタイムに集約・分析・可視化するクラウド型のBIツールであり、グローバルで1000社以上の導入実績がある。

 以下のような7つのコンポーネントを搭載し、接続から可視化、予測・拡張までの一連のプロセスを1つのツールで統合化している(図表1)。

接続:オンプレミス/クラウドを問わずあらゆるデータを統合
保存:大量データを高速に参照
準備:クレンジング、結合、統合を実施
可視化:多彩な可視化で「気づき」を提供
コラボレーション:専用の会話ツールで「気づき」を共有
予測:AIとアラートで予測分析に対応
拡張:豊富ですぐに使えるビジネステンプレートの活用

 

 とくに接続については、オンプレミスとクラウドの双方から、あらゆるデータソースをクラウド上のDataSet(Domoの分析用データ)にアップロードするための手段が用意されている。

 たとえばオンプレミス環境にあるデータについては、Domo Workbench(DataSet にデータをアップロードするための Windowsアプリケーション)が用意されており、オンプレミスデータベース(ODBC使用)やCSVファイル、区切りテキストファイル、Excel ワークシート、JIRA、QuickBooks 、XMLネームスペースなど多種多様なデータをアップロードできる。

 またクラウドサービスに対してはSalesforceやGoogle、Facebook、Twitterなど1000種類以上の豊富なクラウドコネクタが用意されている。クラウドでもオンプレミスでもそのデータの格納場所にかかわらず、あらゆるシステム間での双方向接続を容易な手段で実現する。オンプレミスにハイブリッドやマルチクラウドを連携させたユーザーの複雑なデータ環境に対して、Domoは双方のデータを統合・連携して分析するデータ活用プラットフォームを提供しているわけだ。

 さらにデータ接続のコネクタから可視化するダッシュボードまで、1つの統合されたアプリケーションとして提供されており、Domoにデータをアップロード以降は、ドラッグ&ドロップ操作で簡単に可視化できる。ITリテラシーに依存せず、アクションまで含めた容易なデータ活用が可能になる点が注目される。

 

次のアクションにつなげるための
データ分析

 イグアスでは、コンサルティングサービスの提供に先立ち、自社でDomoを実際に活用して、そこで得た知見やノウハウを役立てるべく、2020年7月にDomoの導入を正式決定。同年8月からプロジェクトチームが発足した。

 Domoでは前述したようにあらゆるデータソースの活用が可能であるが、同社では自社で利用するIBM i上の基幹システムをターゲットに、IBM iのODBCドライバを使ってクラウド上のDomoに転送し、基幹データの分析と見える化に挑戦している。

 トップダウン型の取り組みが不可欠といわれるDomoの活用に際しては、矢花達也代表取締役社長をトップ(エグゼクティブスポンサー)に据え、社内データを熟知するプロジェクトリーダー(Major Domoと呼ばれる)のもと、データサイエンティストやエンジニアなどをメンバーに加えてプロジェクトチームを構成している。

 導入後は、以下の3つの目標に向けて要件ヒアリング、データ設計、ダッシュボード構築を進めてきた。

◎営業数字の即時確認ダッシュボード

 案件数、見積もり金額、受注件数、売上、粗利などの営業数字を可視化し、正確な案件管理やトレンドの即時把握、アクションの判断材料として活用する。

◎経営指標ダッシュボード

 月次PL/BS、売掛金/買掛金、延滞債権額や滞留在庫の数値などにより、経営状況の見える化や適切な投資判断の材料として活用する。

◎ダッシュボード上での労務・人事数字の見える化

 月次残業時間や人事変化の推移により、労務管理の効率化、新施策の観点発掘に役立てる。

 

 2021年春には、全社を対象にした第1弾のダッシュボード利用がスタートする予定で、その後は、部門ごとに段階的に活用領域を拡大していく。同社自身のDX実現に向けた重要な武器として、Domoを活用していく計画である。

 イグアスでは、大手ユーザーはもちろん中堅中小企業も対象に、こうした導入ノウハウを活用しながら、コンサルティングサービスを展開していく(図表2)。

 

 Domoの公式認定を受けたビジネスコンサルタントおよびテクニカルコンサルタントが顧客のビジネス課題の整理からKPI設計をサポートしながら、各社のニーズに最適化したデータの抽出・活用方法を提案していくことになる。

「すでに市場には多数のBIツールが登場していますが、Domoはアクショナブルな見える化、つまり『次のアクションに確実につなげるためにデータを可視化する』という点に、最大の特徴があります。Domoを活用し、効果的なアクションにつなげる経営判断の策定をお手伝いしていきたいと考えています」と、ソリューション事業部 テクニカル推進部の藤沼貴士部長は語っている。

 

株式会社イグアス https://www.i-guazu.co.jp/

 

[i Magazine 2021 Winter(2021年1月)掲載]