●システム部門が解決したい経営課題
「IT部門が解決したい短期・中期的な経営課題」への回答では、「業務効率の向上」(73.3%)と「業務プロセスの改善」(68.3%)が群を抜いて高い比率だった(図表29)。
ここで、図表25「業務データ活用・分析ツールの利用状況」を思い出していただきたい。次のような結果だった。
・ 自社開発のシステム/ツールを利用中:39.7%
・ SQLを利用中:23.7%
・ Query/400を利用中:42.3%
・ Db2 Web Query for iを利用中:5.1%
・ サードベンダーのツールを利用中:35.1%
・ Db2 Web Query for iを利用する計画がある:3.6%
・ サードベンダーのツールを導入する計画がある:3.1%
・ 業務データの活用・分析ツールを利用する計画はない:4.6%
・ その他:4.6%
この結果と図表29の「業務効率の向上」と「業務プロセスの改善」の回答者とをクロス分析すると、88.9%がいずれかのデータ活用・分析ツールを利用中だった。データ活用・分析ツールは「業務効率の向上」や「業務プロセスの改善」を目指すユーザーの必携ツールと言えそうである。
●システム部門の取り組みテーマ
システム部門の開発・運用方針と、情報システム全般の問題点、およびシステム部門の今後の取り組みテーマは、図表30~図表32である。
問題点(図表31)の「システム要員の不足」(58.7%)と、取り組みテーマ(図表32)の「IBM iスキルの向上」(32.9%)、「RPG開発要員の強化・育成」(29.9%)は表裏の関係で、要員の不足を外部調達ではなく、自社システム部員の育成・強化で補う動きと見ることができる。
●IBM iの今後の予定・計画
IBM iの今後については、55.5%がIBM iのみの利用を継続し、そのうち42.7%が「変化はない(オンプレミスのまま)」、12.8%がIBM iシステムの一部または全部を「クラウドへ移行させる予定・計画」という回答だった。全システムをクラウドへ移行させる予定・計画をもつユーザーは7.8%である。
その一方、IBM iシステムの一部をオンプレミスの別プラットフォームへ移行させるのは3.7%、クラウドの別プラットフォームへ移行させるのは6.2%で、同一のユーザーがオンプレミスとクラウドの両方にIBM iシステムの一部を移行させる回答はなかった。約1割のユーザーがIBM iシステムの一部を別プラットフォームに移行させる予定・計画をもつということである。
また、IBM iを捨てて別プラットフォームに完全に移行するのは、オンプレミスとクラウドを合わせて8.7%だった(図表33)。
新規に開発・採用するシステムをIBM i上に導入するのは8.2%、別プラットフォーム上に導入するのは6.8%という回答だった。
●IBM iからの移行先プラットフォーム
図表34は、IBM i以外の移行先および導入先のプラットフォームを尋ねた設問への回答である。Windowsが81.9%、Linuxが40.0%で、メインフレームも4.8%ある。「不明・未定」という回答は68.6%あった。
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IBM iユーザー動向調査
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