オープンソースに
関わったことが転機に
2011年に大学を卒業して伊藤忠テクノソリューションズに入社した金子雄大氏は、2年ほどデータセンターで運用を担当した後、クラウドイノベーションセンターに異動してきた。現在の仕事は、顧客が事業化を図る際に、そのアイデアの創出からシステムの構築・運用までを支援する「CTC Agilemix」というサービスの推進である。
CTC Agilemixは、クラウドとアジャイル開発を組み合わせたDevOps手法に基づくサービスで、「PaaSファースト」やオープン技術、オープンソースの活用を特徴としている。金子氏は、「現在の部署に移ってオープンソースに深く関わるようになったのが、大きな転機でした。オープンソースを推進するには、社内外のさまざまな立場の人とコミュニケーションし、意思疎通を図ることが不可欠です。その活動の中で、業務で得られること以上に価値のある多様な世界が外部にあることを知り、外部の動きに積極的に目を向けるようになりました」と語る。
金子氏がRSSリーダーの「feedly」を使い始めたのは、その頃からである。feedlyは、登録したサイトで情報が更新されると、それを取得してタイムラインに表示するサービス。金子氏は、ニュース系サイトやブログを多数登録し、そのフィードを通勤時や在宅時にチェックしている。トレンドを押さえるためのアンテナとしてTwitterやFacebookも使っているが、「今はほとんどfeedlyに一元化しています」という。
知識をつけるために
アプリケーション開発
feedlyで気になった情報はPocketに保存する。そして保存した情報は、後で必ずメモやノートを取るのが金子氏のやり方である。「読んだだけでは頭に残らないので、要点をメモし、Evernoteに残すようにしています」と金子氏。また外部の勉強会やイベントにも積極的に参加しているが、その際も聴講中にメモを取り、Evernoteに残すという。
メモした情報のうち、コードのあるものは実際に試してみるのが「心がけていることの1つ」である。「コードは眺めているだけでは知識がつかないので、環境を設定し走らせてみます。それだけでも、得られる知識や気づきはぜんぜん違うという印象です。しかしそれも浅い習得でしかないので、休日にはテーマを決めてアプリケーションを開発したり、関連する技術書を読んでいます。蓄積した情報は、どこかで手を動かし試してみることが必要だと感じています」
Evernoteに蓄積したメモは、知見を深めるためだけでなく、顧客へのプレゼンや勉強会でのスピーチのネタとしても役立っている。「先日もお客様にプレゼンした際、以前にメモしたOpenStackの開発者の言葉を引用しました。そうしたメモは一般的に知られていない内容も多く、プレゼンやスピーチに使うと非常に効果的だと思っています」(金子氏)
情報発信については、Qiitaへの投稿を始めた。「Qiitaに記事を上げると誰かが見ていて、外部の勉強会後の懇親会などで見知らぬ人から反応をもらえたりします。Qiitaに投稿するのは最初はかなり緊張しましたが、記事を書き終えると大きな達成感があります。蓄積した情報や手を動かして得た知見を整理して、継続的に投稿していこうと考えています」と金子氏は話す。
金子 雄大氏
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
クラウド・セキュリティ事業推進本部
クラウドイノベーションセンター
クラウド技術開発第2課
エンジニア歴:6年
[IS magazine No.12(2016年7月)掲載]